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今年のゴールデンウイークは10連休で、例年以上に海外旅行を楽しむ人も増えるだろう。アフリカのサファリや中南米の高山遺跡のような辺境への半ば冒険旅行というような旅はもちろんだが、整備されたリゾート地や都市部への旅行でも病気や感染症などさまざまな病気への警戒は必要となる。まれに「狂犬病」にかかるケースなどもあるからだ。渡航先に応じてワクチン接種や予防薬の処方を受けたり、旅行時の医療費をカバーする保険の内容を確認したりするなど、それなりの準備をしておきたい。
10連休で海外旅行客が増えそう
◇セキュリティー・チェック後は手洗い
「海外旅行先で発病する病気で多いのが、風邪と『旅行者下痢症』と呼ばれる下痢を中心とした消化器疾患だ。どちらも健康であれば数日で回復するので、症状が重くなければ持参の市販薬を服用して安静にしていれば、ほとんどの場合は問題ないだろう」
長年、海外への渡航者の健康管理に携わってきた東京医科大学病院渡航者医療センターの浜田篤郎教授はこう話す。
ただ、気をつけるべき点がある。意外に知られていないが、風邪で注意が必要なのは空港のセキュリティー・チェック・コーナーだ。フィンランドの空港で行われた検査では、携帯品を入れてX線検査に通すトレーが一番、インフルエンザを含む一般の風邪の原因となる呼吸器に感染するウイルスに汚染されていた、という研究がある。浜田教授は「チェックが終われば手を洗ってほしい」と言う。
一方、下痢についても数日で症状が治まらなかったり、発熱や血便を伴ったりする場合は地元の医療機関への受診を勧めている。
セキュリティー・チェック・コーナーで感染することも
◇旅行保険は慎重に選ぶ
問題になるのが、医療機関の選択と医療費だ。どの医療機関を受診すればいいのか、国内に比べて高額になることが多い医療費の支払いはどうするか。海外で自分や家族が病気になった場合を考えると、心細い思いはしたくない。
そんな際に備えて、出発前に旅行保険に入っておくとよい。医療費については立て替え払いや保険での償還などのサービスが使えるし、コールセンターに電話をすれば24時間、日本語で受診可能な現地医療機関の紹介や医療費支払い方式などを教えてくれる「アシスタントサービス」も頼りになる。
ただ、浜田教授は「旅行保険ごとにカバーしてくれる疾患やサービス内容に大きな違いがあるので。旅行先や目的、期間などに応じてよく内容を検討して選んでほしい」と言う。
(2019/04/11 11:00)
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