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第2回福岡県内科医会・福岡県臨床気外科医学会合同公演会が福岡市内で開かれ、①原因が判然としない「胸やけ」や「胃もたれ」「不快感」などの症状「機能性ディスペプシア(FD)」②腸内細菌と神経疾患の関係③膵臓(すいぞう)がんへの化学療法の重要性―などに関する研究成果が発表された。
◇漢方薬もFDに効く
FDに関する国際統一基準を提唱してきたローマ委員会の委員を務める鈴木秀和・東海大学医学部消化器内科教授は、FDの原因に関して「メインはストレス」とした上で、「消化管運動機能異常や内臓知覚過敏、消化管における細菌叢、炎症、感染が影響しているのではないか」と語った。
また、鈴木教授は「日本人やアジア系の6割が感染しているピロリ菌を除染すると約3割の症状が改善する」と指摘。ピロリ菌以外の要因で起きるFDの研究が課題となっているとした。
治療薬として酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害薬(PPI)やアコチアミドなどのほか漢方薬の六君子湯が胃もたれなどに効くと言われており、世界で初めてローマ委員会で漢方薬が掲載されたことを紹介した。
古賀泰裕・東海大学医学部消化器内科客員教授
◇胃細菌叢の異常
東海大学医学部消化器内科の古賀泰裕客員教授は、胃液の常在細菌叢に関して、FD患者と健常者を比較解析したした結果を紹介。「FD患者の胃液には大腸菌を含む多くの腸内常在細菌の混在が認められた。近位小腸の内容物の逆流が胃液細菌叢の異常を引き起こしていることが予想される」とした。
その上で、大腸菌が死滅した後に残り、炎症を引き起こす菌体成分「LPS」の検出頻度がFD患者の胃液で高かったことから、「FDの原因の一つとして胃細菌叢の異常、胃液LPSの濃度高値」が考えられると指摘した。
さらに、FD患者に乳酸菌LG21株をプロバイオティクスとして投与したところ、症状の改善やLPSの検出頻度の低下が生じたことを紹介した。
(2019/09/19 11:44)
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