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パソコン(PC)の画面を同じ姿勢で長時間見続けることにより、心身にさまざまな不調が表れる「VDT(ビジュアル・ディスプレー・ターミナル=画像表示装置)症候群」。頭痛や腰痛、背中の痛みを生じるほか、イライラや不安感を招いたり、抑うつ状態になったりすることがある。国際医療福祉大学(栃木県大田原市)保健医療学部視機能療法学科の原直人教授に、原因や対策について聞いた。
パソコンを長時間見続けることで心身にさまざまな不調が表れる
▽自殺や過労死に至る例も
デジタル社会の到来で、多くの人がPCなどのデジタル機器と無縁ではいられない時代になった。
中でもPCはオフィスで働く人にとって欠かせない機器だが、画面を凝視する時間が増えることにより、目の疲れに加えて、ストレスが増強し、肩や首、背中の筋肉が慢性的に緊張するなど、心身に負担がかかりやすくなっている。
このようなVDT症候群の主な症状は、目では眼精疲労、目の乾燥、充血、身体では肩凝りや背中の痛みなどが見られる。また食欲不振、過食、不安感、イライラ、抑うつ症状など精神的な症状を引き起こすこともある。
原教授は「ストレスにより、さまざまな症状が表れます。放置して慢性化すると、うつ病を発症したり、悪化すると自殺や過労死に至る例もあります」と説明する。
▽20分作業し、20秒目を休める
眼精疲労や頭痛などは、身体が発するSOSである。身体の悲鳴に耳を傾け、迅速に手を打つことで未然に防ぐことが重要だ。
厚生労働省が策定した「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」は、作業管理の基準を示している。その中で、「連続作業時間が1時間を超えないこと」「連続作業の間に10~15分程度の休止時間を設けること」などの措置を講ずるよう求めている。
PCを使用する際は、まず画面との距離に合わせた眼鏡やコンタクトレンズ、老眼鏡などを使用して、視力の矯正を行っておくことが大切だ。さらに、PCを使った作業を20分行ったら、20秒間、20フィート(約6メートル)先にある景色や物を見て、目を休めるという米国眼科学会が推奨する「トリプル20」という予防法を心掛けたい。
原教授は「PCの画面との距離は40~50センチが望ましい。デジタル機器と適度な距離を保つことが大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)
(2019/11/28 17:00)
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