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脇腹や背中に突然激しい痛みが表れる尿路結石症。尿路(腎臓から尿道までの尿の通り道)のどこかにカルシウムなどが結石を作り、大きいものでは直径5~8センチにもなる。大口東総合病院(横浜市神奈川区)泌尿器科の松崎純一部長は「今は症状がなくても、後で痛みが出る可能性があるので、健康診断などで異常を指摘されたら泌尿器科専門医を受診しましょう」と話す。
尿路結石の痛みが表れる部分
▽10人に1人が発症
尿路結石とは、尿中の成分が固まり結晶化して尿路に石ができる病気だ。生涯のうちに尿路結石症にかかるのは、10人に1人(男性の7人に1人、女性の15人に1人)とされている。
症状は、脇腹や背中の片側の痛み、血尿、吐き気など。痛みが生じるのは、尿路が結石でこすれるからではなく、尿の流れが妨げられるためだという。「結石で尿の流れがせき止められても腎臓は尿を作り続けるので、腎臓の被膜が延びて痛むのです」と松崎部長は解説する。
発症原因ははっきりしていないが、メタボリックシンドローム(メタボ)の人は尿路結石症になりやすいことが分かっている。糖尿病や高脂血症といったメタボの要素が重なると、より尿路結石症のリスクが高まるとされる。
▽再発を防ぐには?
治療法は大きく分けて、〔1〕薬を使って自然な排出を促す〔2〕体外から結石に衝撃波を与えて細かく砕き、排出しやすくする〔3〕尿道または背中から内視鏡を挿入して、結石を破砕して取り出す―の3通りがある。画像検査で推測した結石の大きさや硬さ、患者の体の状態など考慮して選択する。
例えば、直径4ミリ以下なら自然排出が期待できるので薬物治療、2センチ以上では背中から内視鏡を挿入して治療するといった具合だ。薬による治療では排出までに1~2カ月、衝撃波による治療では3カ月かかるとされる。
「痛みの有無にかかわらず、早めに治療を始めた方がよいでしょう」と松崎部長。なぜなら、結石は小さい方が治療しやすく、腎臓に結石がある場合は腎機能が低下するためだ。
尿路結石症は5年で40~50%の患者が再発するため、再発予防も重要となる。結石の成分を分析して原因が分かれば、それに応じた予防策を取る。ちなみに、カルシウムが成分の場合、昔は摂取制限が指導されていたが、現在は取った方がよいとされている。 「大切なのは、小まめに水分補給をして運動をすることです。メタボの治療も重要になります」と松崎部長はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)
(2020/03/14 09:00)
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