足の悩み、一挙解決

200人に1人がリウマチの時代 その足の痛み、ひょっとしたら!?(足のクリニック表参道 矢野紘一郎医師) 【PART2】第6回

 【桑原靖院長】足のクリニックでは、リウマチによる足病変を専門とする医師も診察しています。開院当初、足の痛みで受診される方で、リウマチが疑われる患者さんがいた場合、リウマチ診療で実績のある東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターに紹介していたのですが、足から発症するリウマチが思いのほか多いことが注目され、大学の方から専門医を派遣していただけることになりました。

 今回と次回は、その矢野紘一郎医師にリウマチによる足病変について語ってもらいます。

図解

 ◇リウマチによる関節破壊

 【矢野 紘一郎医師】「足が腫れている」、「足にタコができて痛い」といって足のクリニックを受診した人のなかに、関節リウマチによる足の関節破壊が原因と分かるケースがあります。リウマチは手から始まると考えている人が多いのですが、実際はかなりの割合で足から症状が表れる人がいます。関節リウマチは不治の病と考える方もいるかもしれませんが、今では治療法が劇的に進歩しており、早く治療を開始するほど治療効果が期待できます。足に痛みや腫れがある場合、関節リウマチの可能性も考えてほしいと思います。

 関節リウマチは、関節内に炎症が起こり、炎症物質が骨や軟骨を溶かし、徐々に関節を破壊していく病気です。本来は体内に入ってきた異物を排除するための免疫系がなんらかの原因で自分の細胞やタンパク質を異物として認識し、攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。およそ200人に1人という高い頻度で起こり、30~50代での発症が多く、全体の8割以上を女性が占めています。

 □ケガをしていないのに足の人さし指や中指の付け根が腫れてきた

 □足首が腫れてきた

 □身内にリウマチ患者がいる

 □朝方の手のこわばりや足の症状が6週間以上続いている

 □手の指の第2、第3関節が腫れてきた

 以上のチェックポイントにあてはまるものがある場合、リウマチの可能性が高いと考えられます。

エコーのパワードップラー。上が皮膚、白い明確な線は骨、骨がリウマチによる骨びらんのため凸凹しているのが分かる。骨の白い線が途切れている部分が関節、骨の上の黒い部分が滑膜増殖、その中のオレンジの部分は滑膜炎が起きている部位。(足のクリニック表参道提供)

 ◇指の付け根の関節が痛い

 足の症状からリウマチを疑うのは、どんな場合かご説明しましょう。「指の付け根の関節が痛い」という患者さんの足を診察したとき、そこがゴムのような弾力を感じる場合があれば、関節の内側を覆っている「滑膜」に炎症が起きて腫れている可能性が考えられます。さらに、腫れている部分にエコー(超音波)をあてると、関節の周囲に黒いかげが見え、さらにパワードップラーで炎症が起きている部分が赤く炎のように映ると、リウマチの可能性を疑います。関節破壊の状態を確認するために、X線検査も行います。足からリウマチが発症する場合、最初に溶けていく部分は関節を構成している関節包が骨とくっついている部分と決まっているため、その部分に変化がないかを確認します。さらに血液検査で抗CCP抗体、炎症所見(CRP)などをチェックします。

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