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アクセサリーなど身の回りの金属製品が直接肌に触れるなどして、かゆみやかぶれが生じる「金属アレルギー」。原因や対処法などについて、日本医科大学付属病院(東京都文京区)皮膚科の藤本和久准教授に聞いた。
金属アレルギーの種類と原因となる金属
▽全身に表れる場合も
金属アレルギーは金属が汗や体液に触れて、イオン化して体内に入り、アレルギー反応を起こす疾患だ。直接接触した部位に皮膚炎を起こす「接触皮膚炎」と、食品や歯科金属などから体内に取り込まれた微量金属が原因でさまざまな部位に発疹などを生じる「全身型アレルギー」がある。
原因となるのは、ニッケル、コバルト、クロム、金など。接触皮膚炎の原因で多いのはアクセサリーで、特にピアスは要注意だ。「ピアスの場合、汗で金などの金属が溶け出してアレルギーを生じやすくなります」と藤本准教授。
また、革をなめすのにクロムが使用された腕時計の革バンドにも注意が必要だ。日焼け止めに含まれるチタン、化粧品の容器から剥がれたアルミニウムなどもまれにアレルギーを引き起こす。
金属が触れた部位に症状が出る接触皮膚炎は分かりやすいが、全身型は気付きにくい。金属を含む食品の摂取、歯科治療の詰め物、整形外科で用いる金属プレート、心臓や脳の血管の治療に用いる金属製ステントなどが原因となることがある。
体内に入り込んだ金属イオンの大部分は尿、一部は汗で体外に排出されるので、手のひらや足の裏など、汗腺の多い部位に水膨れなどが表れやすい。また、全身にかゆみを伴う赤い発疹やぶつぶつ(丘疹=きゅうしん)が出ることもある。
▽原因の特定が重要
治療の基本は、原因の金属と接触しないこと。その特定が重要で、金属の試薬が付いたテープを48時間皮膚に貼るパッチテストの信頼性が高い。「ただし、皮膚に刺激があり、汗をかきやすい夏場は患者さんがつらい思いをします。より簡便な血液検査(リンパ球刺激試験)もありますが、保険診療では1回に3種類の金属しか調べられません。感度がパッチテストより低いのも課題です」
検査で陽性反応が出ても、他の原因が潜んでいることもある。手足に水膨れが表れる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の場合、70%以上は喫煙が原因だ。藤本准教授は「パッチテストで陽性反応が出たからといって金属が原因と決め付けず、まずは禁煙をしましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/07/14 05:00)
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