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月経や妊娠、授乳のほか、慢性的出血がある病気、激しい運動、偏った食生活で鉄欠乏性貧血が起こる場合がある。桐友クリニック新松戸(千葉県松戸市)貧血外来の津田健司医師は「疲れやだるさが続くときは、早めに貧血の検査を受けましょう」と呼び掛ける。
症状はさまざま。早めに検査し、きちんと治療を
▽予備軍でも疲労感
体内の鉄の約70%は赤血球中のヘモグロビンに含まれる。残りは肝臓や脾臓(ひぞう)などに貯蔵されている。鉄不足が続けば酸素を運ぶヘモグロビンの働きが低下し、鉄欠乏性貧血になる。世界保健機関の定義では1デシリットル当たりのヘモグロビン値で成人男性13グラム未満、成人女性12グラム未満、妊婦11グラム未満を指す。
厚生労働省の調査では、貧血は20~40代の女性の約15%が該当。症状は、だるさや疲労、息切れ、頭痛、仕事の能率低下、肩凝り、立ちくらみなど多岐にわたる。
津田医師は「鉄不足になると、ヘモグロビン値低下の前に、体内の貯蔵鉄量の指標であるフェリチン値が低下します。この予備軍の状態でも疲労感などが表れることがあります」と説明する。
▽妊娠前に検査を
原因として長距離走などの激しい運動(特に中学生)、若い女性では月経や婦人科系疾患、中高年以降では胃腸のがんやポリープからの出血などがある。「若年女性の貧血には、極端な偏食、月経過多を起こす子宮筋腫や子宮頸(けい)がんなどが背景にあることもあります」
貧血は血液検査で鉄欠乏以外の原因を含めて調べる。鉄欠乏性貧血と診断されれば、主に鉄剤で治療する。
鉄は体内での吸収が悪く、増やすには1日10ミリグラム程度を食事から取るのが望ましい。赤身の肉や魚、小松菜、ホウレンソウ、ひじきなどがお勧めだ。ただ、お茶やコーヒーに含まれるタンニン、全粒穀物は鉄の吸収を低下させるので一緒に取らない方がよい。一方、ビタミンCは一緒に取ると鉄の吸収率が高まる。
「症状は短期間の治療で回復します。鉄不足のない疲れにくい体になると、楽に動けるようになり生活の質も改善します。また、妊娠を希望する人は貧血の検査を受け、鉄欠乏があればしっかりと治療して妊娠に備えることが、将来の母児の健康につながります」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/11/14 05:00)
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