治療・予防 2024/12/23 05:00
薬物療法が大きく進歩
~ぼうこうなどの尿路上皮がん(虎の門病院 三浦裕司部長)~
乳幼児の発熱時に起きる「熱性けいれん」。日本では7~11%の子どもが起こすといわれている。千葉県こども病院(千葉市)神経内科の小俣卓部長は「一般に後遺症などは残らない良性の疾患です。発作時のポイントを覚え、できるだけ落ち着いて対処することが必要です」と話す。
熱性けいれんの対処法
▽発作時は横向きに
熱性けいれんは、生後6カ月~5歳までに起きるとされる。高熱時に限らず、38度程度の熱で起こる場合もある。発作時は白目をむいて全身を震わせたり、意識がなくなりぼーっとしたりする。時間にして1~2分程度だ。
熱性けいれんには単純型と複雑型がある。半身のみけいれんするなどの部分的な発作や15分以上の発作、24時間以内に複数回繰り返す発作が複雑型。これらに当てはまらない場合が単純型だ。
小俣部長は「乳幼児の脳は発達途上のため、発熱時に細胞膜間の電気信号のやりとりが不安定になり、発作が起こると考えられます。年齢とともに安定するので、多くは自然に治ります」と説明する。
発作時は、家具などに体をぶつけないよう安全な場所に移動させ、吐いた場合に窒息しないよう体を横向きにさせる。可能であれば、けいれんの持続時間やどのようなけいれんだったかを観察しておくと、診断に役立つ。
▽他の病気の有無を検査
発作後は必ず小児科を受診し、その後の経過や、脳炎や髄膜炎などの発熱を伴う病気の有無を診てもらうことが必要だ。意識がしっかりしていて、手足のまひもなく普段と変わりなければ治療は必要ない。しかし、発作後も意識がはっきりとしない、顔色が悪い、脱水状態が続いているなどの場合は入院が検討される。
熱性けいれんの再発率は約30%だ。複雑型の症状に加え、〔1〕両親、きょうだいに熱性けいれんの経験がある〔2〕1歳未満の発症〔3〕発熱から発作までの時間が1時間以内〔4〕発作時の体温が39度以下―などがある場合は再発リスクが高い。医師の判断でジアゼパム座薬という予防薬が処方されることもある。
複雑型はまれにてんかんに移行することがあるため、6歳を過ぎても熱性けいれんを繰り返す場合は精密検査が必要になる。
小俣部長は「基本的に予防接種も受けられます。ただ、接種後に発熱すると発作が起こる場合があるので、主治医とよく相談しましょう」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/08/08 05:00)
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