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目が赤くなる原因には出血と充血がある。目の血管が破れて出血し、白目の一部が赤く染まる「結膜下出血」が起こると驚く人も多いが、そのほとんどは自然に治る。
一方、白目の血管が拡張する「結膜充血」は疲れ目などでも起こるありふれた症状だが、病気が隠れていることもある。「特に片目の充血が続く場合は、深刻な病気のサインかもしれません」と日暮里眼科クリニックの冨永隆志院長は注意を促す。
白目の一部が赤く染まる「結膜下出血」(左)と白目の血管が拡張する「結膜充血」
▽出血の原因
結膜下出血では痛みなどの症状は基本的にない。発症のきっかけは目をこする、せきやくしゃみ、お酒の飲み過ぎなどがあるが、はっきりしないことも多い。加齢に伴い結膜がたるむ結膜弛緩(しかん)症があると起きやすくなるという。「出血は自然に吸収され、多くは1~2週間ほどできれいに治ります」と冨永院長。
「予防は難しいのですが、コンタクトレンズを使っている人は結膜の血管に負荷をかけないようにゆっくりと外すことを習慣にしてください」とアドバイスしている。
▽充血の原因
白目に充血を起こす病気はたくさんある。代表的なのは結膜炎で、充血の他に目やに、目のかゆみ、目がゴロゴロするなどの症状を伴うのが特徴だ。花粉やハウスダストなどで起こるアレルギー性結膜炎の多くは両目が充血する。「疲れ目などもそうですが、一般に両目が充血する場合は、それほど心配いりません」と冨永院長。
注意したいのは片目だけが充血する場合だ。感染力が非常に強く「はやり目」とも呼ばれる流行性角結膜炎は、片目の充血から始まることが多い。また、角膜潰瘍、緑内障発作などの深刻な目の病気や、全身の病気に関連して起こることが多いぶどう膜炎や強膜炎などでは片目の充血が続くという。「片目の充血が1~2日取れない場合や、目の痛み、見え方の異常などがある場合は、すぐに眼科を受診してください」
また、最近増えているのが、ドライアイによる充血だ。パソコンの長時間使用など目の酷使が背景にある。「予防には、1時間作業をしたら少なくとも1分間は画面から目を離すこと、意識してまばたきをすることを心掛けてください」と冨永院長。
ホットアイマスクなどで目を温めるのもお勧めだ。その他の日常生活では、紫外線を浴び過ぎない、コンタクトレンズを適切に使うなどにも注意したい。なお、充血している間はコンタクトレンズの使用を控えるようにする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/04 05:00)
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