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デスクワークなどで座っている時間が長いと、肩凝りや腰痛に悩まされがちだが、近年は死亡率が上昇することが分かってきた。その実態と対策について、早稲田大学スポーツ科学学術院(埼玉県所沢市)の岡浩一朗教授に聞いた。
座り過ぎの影響を減らすエクササイズ
▽世界中で座る時間長く
2011年の世界20カ国における座位時間の実態をまとめた研究では、日本人の座位時間が最も長いと報告されている。ただし、「日本人だけが突出しているわけではなく、世界中で『座り過ぎ』が問題になっています」。
総死亡率に及ぼす影響については世界中の国々から報告があり、それらをまとめた研究では、1日8時間以上座ると死亡のリスクが上がることが分かった。
下肢には全身の70%の筋肉があり、長時間動かさないでいると、糖の代謝や脂肪の分解が滞り、血流も悪くなる。「そのような生活を続けていると、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を引き起こし、ひいては心疾患や脳卒中、がんなどを招きます」と指摘。
「健康を気にする人は、週末にジムに通ったり、ジョギングをしたりしますが、平日は座りっ放しの人が多い。普段からこまめに身体を動かすことが重要です」
こまめに動くとは、コーヒーやお茶を飲みに行くために歩いたり、トイレに行ったりという行動の積み重ねのこと。家事に関しても、電化製品の発達などで体を動かすことが減っており、便利な社会になったことが命に関わる病気を招いているともいえる。
▽「強度」よりも「頻度」
岡教授によれば、できるだけ頻繁に姿勢を変え、少し動くことが望ましい。できれば30分に1回、3分程度休憩を取り、体を動かすとよい。仕事中に立つのが難しければ、椅子に座ったままの足踏み、かかとの上げ下ろし、膝の伸展などのエクササイズもお勧めだ。
「研究室ではスタンディングデスクで作業をしています。立つだけでも筋肉を使い、無意識に足を動かします。普段使っている机に昇降デスクを置けば、立って仕事ができますよ」と岡教授。コロナ下でリモートワークが増えている今こそ、体を動かす習慣を身に付けたい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/29 05:00)
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