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月経痛(生理痛)は生活に支障が出るケースがあり、不安を覚える女性も多いのではないだろうか。症状がひどい場合は、会社や学校を休んで寝込むこともある。
窪田クリニック(東京都杉並区)の下村貴子副院長は「健康体であれば、重い月経痛は通常起こりません。痛みは不調のサインであり、病気が隠れている場合もあるので婦人科を受診しましょう。漢方をうまく活用するのもよいでしょう」と話す。
月経痛の改善が期待できる漢方薬
◇情緒不安定や冷え
月経痛とは、月経中に下腹部に起こる痛みで、吐き気や頭痛などの症状が表れることもある。子宮内にたまった血液や内膜を押し出そうとして子宮が収縮するためだ。子宮筋腫や子宮内膜症といった病気が隠れている場合もあるが、他の主な原因として、ストレス、憂鬱(ゆううつ)、いらいら、怒りっぽいなど情緒不安定がある。
また、身体が冷えていたり、気温が低くなったりすると血流が滞り痛みを訴える患者が増える傾向にあるという。冬だけでなく、夏でもエアコンや冷たい飲み物などの体を冷やしてしまう要素がたくさんある上、現代の生活様式では適度な運動や睡眠が不足するなど、症状が重くなる要因があるので要注意だ。
◇自分に合った漢方薬を
月経痛があっても検査では異常が認められない場合もある。東洋医学で「未病」と呼ばれる状態で、漢方薬を用いると改善が期待できるという。
下村副院長によると、月経痛を引き起こす要因や体質によって使い分けられ、冷えやむくみがある場合には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、ストレスによって気血(エネルギーや血液)の巡りが悪い場合は「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、血の巡りが悪い場合は「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」がお薦めだ。
特に冷えの強い人には、「四物湯(しもつとう)」、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」、「温経湯(うんけいとう)」なども良い。
月経の後半に痛みを感じたり月経後にぐったりしたりする人は、免疫力を上げるとされる「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」や、疲労倦怠(けんたい)に効果が期待できる「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」などもある。
市販品を購入して調子が良ければ婦人科を受診し、より自分に合う漢方薬を処方してもらうのもよいという。婦人科で特に異常が見つからなければ、漢方専門医に相談するのも方法の一つだ。下村副院長は「はやりの健康法に惑わされず、自分の状態を受け入れて知ることが大切です。月経痛をきっかけに自分の体に目を向けてみてはいかがでしょうか」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/01/03 05:00)
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