2024/12/18 05:00
冬の気分低下どう乗り切る?
~少し速足で歩くと気分前向きに~
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」が準決勝に向け米フロリダに到着しましたが、最大の敵は「時差ぼけ」ともいわれています。フロリダとの時差は13時間で、ほぼ昼と夜が逆転した状態です。通常4~5時間の時差があると症状が出現するので、かなり厳しい環境と言えます。時差ぼけは体の生体リズムが乱れることにより自律神経が不調になることが要因とされています。生体リズムは遅らせる方が楽なので、西に向かって旅行する場合、例えば日本から欧州への移動の方が適応しやすく、早寝早起きが必要な東向きの移動は症状が重くなります。
時差ぼけは睡眠の質の低下や不眠、消化器の不調をはじめ、集中力や作業能率の低下などを引き起こします。コロナ禍が弱まって旅行やビジネスの出張で海外へ移動することも増える折、時差ぼけから素早く抜け出す方法を考えます。
WBCの準決勝進出を決め、喜ぶ侍ジャパンの大谷選手(右から3人目)ら=AFP時事
◇朝に太陽光を浴びる
太陽の光には波長360~400nm(ナノメートル)の紫の光(バイオレットライト)が含まれています。このバイオレットライトは眼の網膜にあるOPN(オプシン)5という非視覚系の光受容体を活性化して脳の機能に影響するとされています。また、同じく網膜にあるOPN4は、ブルーライトに反応して生体リズムをコントロールします。太陽の光に含まれるブルーライトを朝浴びると、14~16時間後に脳の松果体から睡眠をつかさどるホルモンのメラトニンが分泌され、生体リズムを整えるため、自然な眠りに入りやすくなります。
朝は到着地の時間に合わせて起き、窓を開けて太陽の光を浴びながら深呼吸するなどが有効です。
◇サングラスを外して散歩・ジョギング
体を動かすことも大切です。特に朝、太陽の光を浴びて散歩をすると血液循環が良くなり、自律神経の調整に役立ちます。戸外で太陽のバイオレットライトを浴びることは脳機能を含めた活性化にも役立ちますが、注意していただきたいのは、バイオレットライトはガラスやサングラスで遮断されてしまう点です。日当たりがいいからという理由でガラス張りの室内で運動しても、残念ながらバイオレットライトを浴びることはできません。戸外で活動する場合はサングラスを外すか、紫外線を避けバイオレットライトは通す特殊なサングラスを掛ける必要があります。
侍ジャパンのダルビッシュ選手はチームメートに、サングラスを外して朝に散歩するよう勧めたといいます。さすがですね。
◇食事時間を現地に合わせる
自律神経を整えるには消化器の動き、特に腸の活動を調整することも大事です。朝起きた時に水を1杯飲んで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にするとともに、現地の時間に合わせて食事を取るようにすれば時差ぼけからの回復に役立ちます。消化器の動きは副交感神経優位で活発になります。「これから仕事だ」という緊張状態が続くと、便秘や下痢など消化器の不調が起きやすくなるものです。呼吸を整えリラックスするなど、交感神経を緩める時間を意識的につくることも必要です。(了)
(2023/03/20 05:00)
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