治療・予防 2024/12/18 05:00
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寒さが一段と厳しくなる季節に、注意が必要な霜焼けとあかぎれ。水仕事をしたり、冷たい外気に長時間さらされたりと、そのきっかけはさまざまだ。「霜焼けとあかぎれは、気温が下がる時期に手指など末端に症状が出やすい点が共通しますが、その原因や対処法は異なります」と、山口県立総合医療センター皮膚科の山田隆弘診療部長は話す。
軽症でも長引く場合は皮膚科へ
◇手指消毒も原因に
霜焼けは医学用語で凍瘡(とうそう)と呼ばれ、手足の指や耳などの皮膚が赤紫色になりかゆみを伴う。子どもの場合は指全体が腫れたり、大人ではじんましんのように赤くなったりすることもある。
「真冬よりも、秋から冬、冬から春といった季節の変わり目で、日中と夜の寒暖差がある時期に起こりやすいと言われています」と山田診療部長。意外に思われるかもしれないが、一日の平均気温が高い九州や沖縄でも起こる可能性があるため、注意が必要だ。
一方、あかぎれは、医学的には進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)と呼ばれる「手荒れ」が悪化して生じるケースが多い。
皮膚表面が乾燥すると亀裂、いわゆる「ひび割れ」が生じる。ひび割れが深くなり皮膚の奥の真皮まで達したものがあかぎれだ。乾燥した鏡餅がひび割れた状態を想像すると理解しやすい。出血したり、じっとしていても痛みを伴ったりする場合もある。
日常的な水仕事により皮脂膜が壊れ、皮膚が乾燥すると発症するが、冷水だけでなく食器用洗剤やハンドソープ、アルコール消毒液の頻繁な使用も原因になる。
◇異なる原因と対処法
霜焼けは、手袋や靴下の中で汗をかいて手足がぬれたまま冷えてしまったときに生じやすい。汗などでぬれたら、すぐに替えるなどの対策が必要だ。冷えた指先を急に温めるとかえって悪化するリスクがあるため、ゆっくりと温めるのがよい。
体を締め付けるようなタイプの下着やタイツの着用は控え、血液の循環を促進するマッサージを行ったり、ビタミンE配合のクリームを小まめに塗ったりすると予防や改善が期待できる。こうした対策を2週間以上続けても改善が見られない場合は、他の病気が原因の可能性があるため早めに皮膚科を受診したい。
あかぎれも寒い季節に生じやすいが、原因は皮膚の乾燥だ。普段から保湿クリームで皮膚を保護したり、水仕事をする際は薄い綿手袋の上にゴム手袋を着けたりすると予防になる。あかぎれになってしまうと市販の治療薬では治らない場合があるため、皮膚科で症状に合った外用薬を処方してもらうとよい。
「霜焼けとあかぎれは見分けるのが難しく、適切に対処しないと症状が悪化するケースもあります。症状が軽くても長引く場合は皮膚科で診てもらい、正しい治療と生活指導を受けることが大切です」と、山田診療部長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/01/20 05:00)
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