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「激しい下痢や嘔吐のほとんどは、細菌やウイルスが腸に感染した急性胃腸炎の結果。多くは軽症で回復するが、米国では小児を中心に年間150万人が救急搬送され、うち20万人が入院。死者も300人近くに達している。決して軽くみてはいけない病気だ」。昨年末には一般向けの公開講座の講師も務めた河島教授は、こう警鐘を鳴らす。
◇ウイルスと細菌に起因
感染症の原因は、例年秋から翌年の春まではウイルスが多く、夏は細菌が多くなる。患者数全体を原因で分ければ、ノロやロタなどのウイルス性が70%、カンピロバクターやサルモネラ、腸管出血性大腸菌など細菌に起因するものが15%。ウイルスが原因の感染性胃腸炎のほとんどは数日で自然治癒するが、細菌性ではO157感染症など治療が欠かせない場合が少なくない。
「特に警戒が必要なのは、便に血や粘液が混じったり高熱を発したりしている場合だ。このようなときは医療機関を受診してほしい」、と河島教授は言う。「このほか、発熱直後にけいれんを起こした場合や、嘔吐や下痢が続く中で会話ができなくなるなど脱水による意識低下が疑われる場合も、早期の受診と診療を受けてほしい」と付け加える。
このような状態で問題になるのが、血便という言葉に対するイメージのずれだ。一般には、下血の時のように便器が真っ赤に染まる、というイメージがあるが、下痢の際の血便はあくまで便の中に血が混じっている状態を指す。「便の表面に赤い筋が付いていたり、便の中に赤いものが幾つも混じっていたりするような状態でも、血便の可能性がある。子供の体調が優れず、トイレに行く回数が増えた場合は、便の性質を保護者が確認してほしい」と河島教授は訴えている。
(2018/03/31 22:35)
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