治療・予防 2024/11/22 05:00
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~アレルギー患者で活性化(信州大学医学部付属病院 柳沢龍准教授)~
ダイエットで食べる量を極端に減らす人がいれば、常に食べていないと不安な人もいる。いずれも度を越すと体に異常を及ぼし「摂食障害」という病気になる。東京大学医学部付属病院(東京都文京区)心療内科の吉内一浩科長は「10代では神経性やせ症(拒食症)、20代以降は神経性過食症(過食症)が多く、最近は摂食障害の低年齢化も進んでいます」と話す。
▽拒食症と過食症がループ
拒食症には物を食べない「摂食制限型」と、食べた後に吐いたり、下剤で排便したりする「過食排出型」がある。過食症の患者は拒食症の3~5倍存在するとされるが、拒食症と過食症を繰り返し、そのループが延々と続くこともある。
摂食障害かどうかは、月経が止まるほどの低体重があれば比較的簡単に拒食症と診断できるが、患者自身が持つ体重や体形に対する信念や価値観のゆがみも目安となる。吉内科長は「体形や体重についての自己評価が低過ぎると、極めて少ない量しか食べない、食べた後に吐くという行為を繰り返しやすくなります」と説明する。
▽早期に専門医受診を
摂食障害では、患者自身に自分が病気という認識がないことが大半だ。異変に気付いた家族が病院に連れて来るとか、病状が進んで筋力低下で体が動かなくなり、頭がぼんやりした状態になってやっと受診するというケースが少なくない。
自己評価が大きく関係するため、治療は心理療法が中心になる。まず病気であることを患者に気付かせた上で、体重を一定程度増やせば外出できるといったような目標を設定し患者の行動を変えていく「行動療法」や、体形や体重についてのゆがんだ考えを修正し、行動を変える「認知行動療法」などを行う。
明らかな低体重があれば体重回復が最優先だ。必要なら管理栄養士が栄養指導する。食事摂取も困難な状態なら入院することもある。拒食症では極端な栄養不足に陥り生命の危険にさらされるケースもあるが、過食症でも不整脈で突然死することがある。うつ病や双極性障害を併発して自殺してしまう場合もある。生命に関わるので、早期発見、早期治療が重要だ。
吉内科長は「病気の性格上、心身両面のケアが必要なので専門の医療機関を受診してください」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/08/24 09:50)
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