2024/09/26 12:49
学際シンポジウム「LOCAL CANCER DAY 2024 ~ アジアでがんを⽣き延びる」開催のお知らせ
カジノを中核とする統合型リゾート(IR)への関心の高まりとともに、ギャンブル等依存症やその対策に注目が集まっている。依存対象がアルコールや薬物といった物質でないため「本人の意思でやめられるはず」と思われがちだが、そうではない。ギャンブル依存症も本人の意思ではコントロールできない脳の病だ。政府事業の一環で依存症の啓発に携わっているサッカー元日本代表の前園真聖さんが支援施設「グレイス・ロード甲斐センター」(山梨県甲斐市)を訪問し、回復に向けた入所者の「姿」を報告する。
◇借金、盗みも
回復プログラムの一環で開かれたこの日のミーティングには8人が参加。借金を重ねて家族を顧みず、仕事も手に付かなくなった経験、日常生活よりもギャンブルを優先した過去などを隠さずに語り、皆が静かに聞き入った。こうした経験の共有が回復の第一歩となるのは、他の依存症と同じだ。ただ、ギャンブル依存症の場合は大きな借金を重ねたり、周囲から盗みを働いたりするケースも少なくない。金銭的な問題が大きくなりやすいとされる。
ミーティングを熱心に聞いた前園さんは「薬物やアルコールよりも重くないというイメージがあったが、そうじゃないと感じた」と語り、ギャンブル依存症の実態に驚きを隠さなかった。
◇行動依存
依存症は大きく分けて、物質依存と行動依存の2種類がある。物質依存の典型が覚せい剤で、行動依存の代表例がギャンブルだ。
ギャンブル依存症を克服し、今はグレイス・ロードのスタッフを務める植竹淳さんは「ギャンブルで大きな刺激を受けて快楽物質ドーパミンが出たことをバシッと脳が記憶する。そして、不安、不快な気持ちになると『ギャンブルに行きなさい』と脳が指令を出すのでやめられない」と解説。深刻なケースでは「借金を重ねた上、電気やガスを止められた。ギャンブルをするため1000円、2000円が惜しかった」という入所者もいるほどだ。
(2019/01/15 06:05)
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