一流の流儀 「追い込みの女王」AYA クロスフィットトレーナー

(第5回)体育教師夢見た中学・高校時代
スポーツを職業にするために

   

 大学進学に当たっては、進むべき道は体育大学しかないと決めていた。

 「運動を自分で楽しんでやるだけなら、別にどんな大学でも良かったのかもしれませんが、夢は体育の先生です。スポーツ関連の仕事をするのであれば、運動について、また人間の体について、例えば、運動生理学、解剖学、筋肉の仕組みなどなどを座学でしっかり学び知識を得なければなければなりません。そう考えると、進路は体育大学だと考えて迷わず進みました」

 同じ体勢で座っているのは苦手と聞いていたが、勉強となると別だろうか。

 「いえ、本当は座学は好きではないですよ。でも、運動しているだけで仕事ができるならそれは素晴らしいことですが、そうはいかないのです。例えば、運動している最中に生徒が倒れることだってあるかもしれない。そういう万が一に備えての知識も含め、やるべき勉強はやらなければいけないと思いました」

 勉強してみた感想を聞くと、「覚えなければならないことが山ほどありました。一通りのことを勉強することができて、やって良かったと思います。その知識を得たことにより、自分が生徒に教える時に、分かりやすく理解してもらえるように伝えられていると思います」。学生時代も今も、関心の中心には教えるという立場のAYAさんがいるようだ。

 体育教師を夢見て、予定通り大学に進学したAYAさん。だが、大学に入ってスポーツに携わる仕事が、体育の教師以外にもたくさんあることに気付く。フィットネスインストラクター、トレーナー、メーカーのウエア開発従事者…。結論として、一学年しか教えられない教師より、いろいろな人と出会い、運動の楽しさをシェアすることのできるフィットネスクラブのインストラクターが、最初の仕事となった。(ジャーナリスト・横井弘海)

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