「医」の最前線 患者会は「今」

「再び、誇り高く美しく」 
乳がんと共に生きる-あけぼの会【患者会は今】

 ◇「知識は治療の武器」

 乳がんの正しい知識の普及を目的に「あけぼの乳がん教育部隊(ABCEF=Akebono Breast Cancer Educational Force)」を2007年1月スタートしました。主婦層、高校生や大学生らを対象に体験者の生の声を伝える講演会です。

あけぼの会九州大会

あけぼの会九州大会

 参加した保健師から「がんになることによる家族への影響などは普段あまり考えない。改めて健康の大切さを感じました」。看護学生からは「コミュニケーションの重要性がよく分かりました。看護師になった時、自分の言葉や行動に責任を持たねばならないと実感しました」という声をもらいました。 医療者だけでなく、患者や体験者の経験談があると教育効果が大きくなります。

 今後は、「なぜマンモグラフィー検診か」「エコー検診の精度は?」「自己検診の必要性」「要精密と言われた時の対応」などについて、体験者が一般女性に伝えていく活動が必要だと感じています。

 乳がん検診で「要精密検査」と言われて2次検診を受けない人を減らし、「乳がんにかかっても治療をしっかりすれば今までどおりに仕事ができる。元気に生きられる。子供を持つことだって可能だ」ということを知っていてほしい。「知識はがん治療の武器」です。

 そのため、行政や企業、学校などに「あけぼの乳がん教育部隊」の活動を知ってもらい、活動の場を広げていきたいと思っています。

 ◇人生の主導権を持つ

 私の好きな言葉をご紹介します。

 「『人生の主導権は自分が持つ』。がんにあなたの人生すべてを支配させてはいけません。あなたの人生はあなたのもの。主導権はどんな時も、あなたの手でしっかりと握っていてください」(ワット隆子前会長の「がんのあと潔く生きる10カ条」より)

 ともすれば乳がんに負けそうな人に人生の主導権を取り戻してもらうために患者の支えであり続けたいと思っています。あけぼの会の40年の歴史は、ぶれることなく「今、困っている人の役に立つ」ことをモットーに一人ひとりを大切にする活動を行ってきました。今後も、「何が患者のためになるか」を最優先に考えて活動を続けていきたいと思っています。(あけぼの会会長 深野百合子)


Breast Cancer Network Japan-あけぼの会   
〒812-0044 福岡市博多区千代5-1-4-620
 会長   深野 百合子(ふかの・ゆりこ)
  Tel/fax    092-651-1751
  ホームページ http://www.akebono-net.org/
  E-mail     akebonokai.since1978@gmail.com


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