ビタミンK欠乏症〔びたみんKけつぼうしょう〕 家庭の医学

 ビタミンKは、凝固因子の一つとして、血を固めるはたらきをし、欠乏により血がとまりにくくなります。食物(特に納豆)にも含まれ、また、腸内細菌によっても合成され、腸から吸収されます。新生児期や、抗菌薬使用による腸内細菌の変化や肝臓の病気などで欠乏します。

■新生児メレナ
 生後2~3日の新生児は哺乳量も少なく、ビタミンKの摂取が少ないことに加え、腸内細菌の発達も不十分なため、ビタミンKが不足しがちです。このため、胃腸から出血することがあり、血を吐いたり血便を出したりすることがあります。これを新生児メレナといいます。

■乳児ビタミンK欠乏症
 生後1~3カ月ごろの乳児に、ビタミンK欠乏による出血が起こることがあります。脳内出血を起こすことが多く、死亡したり、後遺症を残すこともあります。
 母乳栄養児に多く、母乳にはビタミンKが少ないためと、母乳栄養児の腸内細菌はビタミンKをあまり合成しないことが原因と考えられています。
 予防のため、生後1週間の産院を退院するときと、1カ月健診時にビタミンKのシロップをのませます。

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