多投薬となり薬の副作用に悩まされる 家庭の医学

 老年症候群の加齢による増加に伴って、医師はおもに「薬で治す」ことを考えるため、投薬数がふえていきます。これを多投薬(ポリファーマシー)といいます。医療ビッグデータ調査では、実に1割以上の人が10種類以上処方されていることが判明しました。
 10種類以上の処方は極端な多投薬とされ、避けなくてはなりません。10種類以上の処方では、5人に1人が薬による有害作用が出ることがわかっています。

 たくさんの薬を処方されている人は、一度本当に必要な薬かどうかを相談されることをおすすめします。2016年から不要な薬を2剤以上減らした場合に、医療機関に診療報酬がつくようになりました。これにより、医師も以前より積極的にポリファーマシーをやめるようになっていくでしょう。

(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)
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