動脈瘤〔どうみゃくりゅう〕

 動脈のある部分がふくらんでこぶ(瘤)状になることがあります。これが動脈瘤です。通常、脳の底にある大きな血管の分岐部が血流に押されるかたちで徐々に膨らんでこぶができます。ときには血管が枝分かれしていないところにもでき、しばしば多発性で2カ所以上にできることもあります。
 この動脈瘤が破裂しないままの状態にあることを未破裂動脈瘤といいます。
 いっぽう、太い動脈の分岐部に動脈瘤ができ、これが血圧上昇などで破れ、脳を包んでいるくも膜の内側に出血を起こしたものがくも膜下出血です。
 50歳以下のくも膜下出血は先天性の動脈瘤によることが多く、60歳以上の場合は動脈硬化から動脈瘤が生じたものであることが多いのが特徴です。喫煙者は非喫煙者の4倍の頻度でくも膜下出血を起こします。

[症状]
 くも膜下出血の特徴は頭痛です。突然、いままでに経験したことのないような強い頭痛がはじまります。これは頭全体を締め付けるような頭痛で、いったんはじまると朝も晩も、入浴しても睡眠など休憩を十分にとっても同じように続きます。
 多くの場合はただちに意識障害が進行し、1時間以内に呼吸が停止することもあります。くびはカチカチにかたくなり、眼底をのぞくと網膜の前に出血が見えます。
 破裂していない動脈瘤は、無症状のうちに脳ドックなどで発見されることが多くなっています(無症候性動脈瘤)。いっぽうで脳動脈瘤が大きくなり、周囲の組織を圧迫して頭痛やものが二重に見えるなどの症状があらわれることがあります(症候性動脈瘤)。

[診断]
 CT(コンピュータ断層撮影)では正常の場合、脳の周囲と骨の間は髄液のため黒く見えます。くも膜下出血ではここに出血があり、白く見えます。髄液検査をすると、髄液は血性に見えます。
 動脈瘤を脳血管造影で診断する方法と、3次元CTやMRA(MR血管造影)などで画像検査する方法があります。

[治療]
 診断がつきしだい、手術になります。手術方法としては開頭して動脈瘤を直接観察し、クリップでこぶの根本をはさむ方法と、脳血管造影の方法でワイヤーを動脈瘤まで進め、コイルを動脈瘤内に入れてふさいでしまう方法とがあり、いずれも一長一短があります。

[予後]
 軽いくも膜下出血の場合は特に後遺症を残さずに完治します。動脈瘤から脳内に血液が噴出すると、脳出血と同じようなまひを生じます。また、出血した動脈がけいれんを起こして血管が細くなり、血液が通らなくなると脳梗塞を生じます。
 破裂した動脈瘤を手術せずに放置しておくと、1カ月後の死亡率は50%に達します。ただ、脳ドックで見つかった動脈瘤が1年間に破裂する確率は約1%とされています。したがって、年齢によっては手術による後遺症を考え、手術を見あわせることもあります。
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