脾嚢胞〔ひのうほう〕 家庭の医学

 脾臓には、液体がたまった袋状の構造(嚢胞)がみられることがあり、真性嚢胞と仮性嚢胞に分類されます。真性嚢胞は寄生虫によるものが以前は多くみられましたが、最近はまれで、類上皮嚢胞など先天性の良性腫瘍などが含まれます。仮性嚢胞は、外傷や出血により生じるものが多く、膵臓の炎症が波及して嚢胞をつくることもあります。特に症状がない場合は、経過観察することが一般的ですが、症状があるときや、腫瘍の疑いがある場合は、脾臓の摘出を考慮します。

(執筆・監修:自治医科大学外科学講座 主任教授〔消化器外科学〕 佐田 尚宏
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