脾腫(脾臓が大きくなること)〔ひしゅ〕

[原因]
 脾臓が大きくなったものを脾腫といいます。おもな原因には、1.マラリア、腸チフス、パラチフス、敗血症、感染性心内膜炎、亜急性・慢性の全身感染症、梅毒(ばいどく)、肝炎など伝染性の病気、2.脾臓(ひぞう)が日本住血吸虫、ジストマ(吸虫類)、エキノコックスなどの寄生虫におかされたり、膿瘍(のうよう)ができたとき、3.バンチ症候群、肝硬変や門脈血栓症などによる門脈圧亢進(こうしん)症などのとき、4.白血病、血小板減少性紫斑(しはん)病、溶血性貧血、血友病などの血液の病気、5.ゴーシェ病、ニーマンピック病などの代謝異常、6.慢性膵(すい)炎や胃がん、膵がんなどによる脾静脈の狭窄(きょうさく)や閉塞、7.脾腫瘍(原発性、転移性)、8.脾嚢胞(のうほう)、9.脾被膜下血腫(けっしゅ)、があげられます。

[症状]
 左上腹部のはれぼったい感じ、軽い痛みをうったえることがあります。そのほか、呼吸困難、吐き気、吐きもどしなどがあらわれることもあります。腹壁にちょっとした外力が加わっただけで、脾臓破裂になることがあるので注意します。脾機能が亢進するため血小板の破壊が亢進し、血小板減少による出血傾向がみられることもあります。

[治療]
 バンチ症候群、門脈圧亢進症、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などは、脾臓を取る手術をすると非常によくなります。脾臓の摘出術は、腹腔(ふくくう)鏡下手術でも可能です。慢性膵炎や胃がん、膵がんなどによる脾静脈の閉塞では脾腫が生じるほかに、胃噴門部から穹窿(きゅうりゅう)部後壁にかけて静脈瘤(りゅう)も発達します。
 これらのがんでは、がんそのものの手術時に脾臓の摘出がおこなわれますし、慢性膵炎では脾臓の摘出と胃脾間膜の切り離しによって胃静脈瘤も治療することができます。
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