脾損傷・脾臓破裂〔ひそんしょう・ひぞうはれつ〕 家庭の医学

 腹部、特に左上腹部に鈍的な外力(たとえば打撲、車両にはさまれるなど)が加わると、腹部の表面にはけがはないのに脾臓が損傷を受けることがあります。損傷の程度により、被膜下損傷、表在性損傷、深在性損傷に分類され、深在性損傷が脾臓破裂といわれる状態です。脾臓は血液に富んだ臓器なので、深い損傷があると多量に出血して、ショック状態になることがあります。最近は動脈の中に管(カテーテル)を入れて、出血を止める処置をまずおこなうことが多く、それで効果がないときには手術で脾臓の摘出をおこないます。

(執筆・監修:自治医科大学外科学講座 主任教授〔消化器外科学〕 佐田 尚宏
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