フィブリン・フィブリノーゲン分解産物(FDP)

■線溶系が亢進すると増加
 血管内ではフィブリン・フィブリノーゲンと血小板が凝固血栓をつくることで血液が固まります。そして次は、血栓を分解しようとする反応が起きてきます。これが線溶系です。生体内ではこの凝固系と線溶系のバランスがとられて、血液の流れが維持されています。
 しかし、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)や大きな外傷などでは、凝固とともに線溶系も亢進(こうしん)するので、その結果、フィブリン・フィブリノーゲンの分解産物であるFDPも増加します。

■基準値:FDP 5μg/mL未満
※方法・施設により異なります

■検査結果から疑われる病気
 高値の場合には、次のことが考えられます。
 播種性血管内凝固症候群(DIC)劇症肝炎心筋梗塞、静脈血栓塞栓症、血栓溶解(線溶)療法のための薬剤使用時など

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)