ニーマンピック病C型〔にいまんぴっくびょう しーがた〕

 ライソゾーム病で、スフィンゴミエリンという脂質の一種を分解できず、肝脾腫、脳障害等を起こすニーマンピック病(A型、B型)がありますが、それと原因は別ですが、同じ様な症状を示す病気です。近年、病気の理解が深まってきて、診断される例がふえてきています。

[原因]
 細胞の中でコレステロールなどの脂質を輸送するタンパク質の異常によります。

[症状]
 発達の遅れ・退行と肝臓・脾臓が大きくなるなどがおもな症状です。
 新生児から成人までのいつでも発症し、発症年齢により症状が違います。新生児・乳児期発症は、肝臓・脾臓の腫れ、肺の病気、発達の遅れがでてきます。幼児期から後に発症した場合は、発達の遅れと歩行のふらつき、笑うと力が抜ける発作(カタプレキシー)、目が上下方向に動かなくなるなどが特徴的です。徐々に歩けなくなる、発音がハッキリしない、食べ物が飲み込みにくくなる、知能の低下などが進み、寝たきりになります。肝臓や脾臓は大きくない場合もあります。

[検査]
 骨髄検査で泡沫細胞という脂肪がたまった大きな細胞が検出されます。骨髄、皮膚、肝臓などのフィリピン染色という特殊染色、遺伝子検査などで確定診断されます。

[治療]
 ミグルスタットという脂質の合成を抑える薬が神経症状の進行をある程度抑えます。