尿素サイクル異常症(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症など)〔にょうそさいくるいじょうしょう(おるにちんとらんすかるばみらーぜけっそんしょうなど)〕 家庭の医学

[原因]
 からだの中のたんぱく質が分解される過程で窒素がアンモニアになりますが、アンモニアはからだに有害なので、尿素という成分にして排出するシステムがあります。関係する酵素のはたらきが落ちることによる7種類の病気があります。もっとも多いのがオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症です。

[症状]
 尿素がうまくつくれなくなるために、からだの中にアンモニアが蓄積し、脳へ影響が出ます。
 ミルクや食事をとりすぎたとき、逆に空腹や感染などでからだの中のたんぱく質が使われたときに、アンモニアが急にふえて、ぐったりする、嘔吐(おうと)、けいれん、意識混濁などを起こし、死亡することもあります。ミルクを飲み始めた生まれて数日の赤ちゃんが急激に発症することがあります。
 血液中のアンモニアが高いことで疑い、治療を開始しながら、アミノ酸・有機酸分析や遺伝子検査などで診断します。

[治療]
 急激に発症したときには、アンモニアを排泄(はいせつ)する薬と血液透析も必要になることがあります。ふだんの生活では、たんぱく質を食べる量を制限します。慢性期の治療として、肝臓移植もおこなわれています。