水分・電解質代謝〔すいぶん・でんかいしつたいしゃ〕

 加齢とともに口渇(こうかつ)中枢機能の低下が生じ、口渇感(口がかわく感覚)の低下が生じます。また腎臓の老化により、尿を濃縮できないことは水分の再吸収が弱いことを意味し、薄い尿が多く出るため、高齢者は飲水制限によって脱水になりやすくなります。これに加えて、脳血管障害、日常生活動作(ADL:activities of daily living)の障害、認知症の合併により、いっそう水分摂取量が少なくなる傾向があります。そのため、高齢者では脱水症状になりやすいことが知られています。

(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)
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