歯性上顎洞炎〔しせいじょうがくどうえん〕

 解剖学的に上顎洞の底は上顎歯の歯根に近く、なかには歯根が上顎洞内に飛び出している場合もあります。う歯(虫歯)や歯槽膿漏(しそうのうろう)により歯根が感染を起こすと、その影響により上顎洞内に炎症が波及することがあります。

 症状は一側性の膿性鼻漏(びろう)や頬(きょう)部痛が多く、原因となる歯を叩くとその歯の痛みを感じることもあります。診断は歯科用のX線検査またはCT(コンピュータ断層撮影)検査が有用です。
 治療は副鼻腔炎の治療、すなわち上顎洞穿刺(せんし)洗浄や抗菌薬の内服と並行して原因となる歯の治療をおこないます。改善しない場合には、慢性副鼻腔炎に対するのと同様の内視鏡下の手術をおこなうこともあります。

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