放射線皮膚炎〔ほうしゃせんひふえん〕

 放射線皮膚炎は、X線(レントゲン線)などの放射線を浴びることによって起こる皮膚炎です。ほとんどが悪性腫瘍などの放射線治療によるものです。治療後、すぐに起こる急性放射線皮膚炎と、数カ月後に起こり、長年にわたって続く慢性放射線皮膚炎とがあります。


[症状]
 急性放射線皮膚炎は、照射部位に紅斑(こうはん)、浮腫、びらんが起こり、痛みが強いのがふつうです。
 慢性放射線皮膚炎は、照射部位に毛細管の拡張、色素沈着と脱失、皮膚萎縮生じます。ちょっとした外的刺激で治りにくい潰瘍をつくってしまいます。また、慢性放射線皮膚炎から有棘(ゆうきょく)細胞がんなどの悪性腫瘍が発生することがありますから、注意する必要があります。

[治療]
 急性放射線皮膚炎は、やけどと同じように治療します。
 慢性放射線皮膚炎は潰瘍などをつくらなければ、ようすをみていてよいのです。しかし、潰瘍ができて治りにくいときや、悪性化の可能性があるときは、切除、植皮などの手術をします。

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