再生医療

 再生医療とは幹細胞(すべての細胞のもととなる細胞、例:iPS細胞)などを用いて、特定の細胞や組織を再生する医療技術のことです。そのほかに、成長因子などの物質を体内に投与して、体細胞の再生能力を向上させる治療法も再生医療に含まれています。
 このような再生医療は、2013年に制定された再生医療に関する法律によって規制されています。
 形成外科で応用されている再生医療には以下のようなものが含まれます。一部の疾患を除いて、保険適用外です。

■自家培養表皮
 患者さんから採取されたわずかな皮膚を培養して、表皮細胞のシートを作製する技術です。重症熱傷、巨大な色素性母斑、表皮水疱(すいほう)症が保険適用です。

■脂肪(由来)幹細胞
 幹細胞はからだのさまざまな臓器に存在していますが、脂肪から精製したものを脂肪(由来)幹細胞といいます。乳房などに対する脂肪注入の際に用いられています。

■多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう:PRP)
 患者さんから採取された血液を精製して、血小板が濃縮された製剤を作製します。血小板に含まれる成長因子と呼ばれる物質が、組織の再生を促進します。皮膚の難治性潰瘍(慢性創傷)が保険適用です。そのほか、しわ・たるみや脱毛症の治療に用いられています。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)

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