不妊症 家庭の医学

解説
 不妊症とは「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊をすることなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合」と定義されています。この「ある一定期間」については、1年というのが一般的になっています。避妊をしないで1年以上待っても妊娠しない場合は、男性女性にかかわらず、不妊症について産婦人科医師に相談することがすすめられます。
 月経不順や無月経子宮内膜症子宮筋腫などによる月経痛や月経過多など、不妊の原因になりうる症状や疾患がある場合には、不妊症となる可能性が高くなります。また、女性の妊娠できる年齢は40歳代前半ころまでと限られているため、早期に検査や治療をしないとますます妊娠しにくくなる場合があります。
 このように不妊症に関連する病気や要素がある場合には、「ある一定期間(1年)」妊娠しないことを前提とせず、早期に受診・相談することがすすめられます。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔産婦人科学〕 廣田 泰)