かぜ、インフルエンザなど 家庭の医学

解説
 人は鼻あるいは口から空気を吸い、のどから始まる気管支を経て肺へと送り込み、息を吐き出すときは同じ気管支を経て体外へ排出します。この空気の通り道を一般に気道といいます。
 気道は、鼻からのどまでの上気道と、それより奥で肺まで連なる下気道に分けられますが、かぜ(さまざまな病状が混在しているので正確にはかぜ症候群といいます)は、ウイルスや細菌などの病原体により上気道の粘膜に起こった炎症性疾患の総称です。インフルエンザや新型コロナウイルスも広い意味ではかぜ症候群の一つですが、ほかの病原体で起こるかぜとは病状が異なるので、ここでは項目を分けて取り扱うことにします。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 准教授〔呼吸器内科学〕 佐藤 匡)