腎臓病の治療 家庭の医学

コラム

慢性腎臓病の新しい治療薬

 慢性腎臓病の進行抑制はこれまでレニン・アンジオテンシン阻害薬が主流とされてきましたが、最近糖尿病薬であるSGLT2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬であるダパグリフロジンが国内で初めて慢性腎臓病の治療薬として承認されました。
 腎臓の近位尿細管に存在する輸送体SGLT2はグルコース(ブドウ糖)とナトリウムを再吸収します。 SGLT2阻害薬を使用すると近位尿細管のSGLT2のはたらきが抑えられるため、グルコースは再吸収されず尿中に排泄(はいせつ)されます。その機序については尿細管糸球体フィードバックの正常化による糸球体過剰濾過(ろか)の改善が主たるものと想定されていますが、それ以外にもいくつかの解明されていない機序が関係している可能性が高いと考えられています。

(執筆・監修:医療法人財団みさき会 たむら記念病院 院長 鈴木 洋通)