塩野義製薬=2024年3月期の連結業績は増収を予想。新型コロナウイルス治療薬のアジアでの承認・販売開始を見込み、売上高が前期比5.5%増の4500億円、営業利益が0.7%増の1500億円と、ともに過去最高となる見通し。 
 既に国内で流通を開始しているコロナ治療薬「ゾコーバ」について、年度内に韓国、台湾、中国でも承認を受け販売開始すると想定。国内ではインフルエンザ治療薬の販売が増加すると見込んだほか、HIV関連で英子会社からのロイヤルティー収入も堅調に推移するとみている。ゾコーバと国内で承認申請中のワクチンを合わせ内外でコロナ関連の売上高1050億円を計上する。一方で、ゾコーバの販売体制構築による一般管理費の増加や前年度に抗HIV薬関連訴訟で一時金を受領した反動減などから純利益は減少するとした。
 23年3月期は増収増益。売上収益とすべての利益項目で過去最高となった。日本政府によるゾコーバ1000億円分の買い取りによる収入増や、英国でのHIV関連製品の販売が好調で利益も大きく伸びた。(C)時事通信社