【シドニー時事】オーストラリア国立大学とキャンベラ病院は29日、脳の手術を行った64歳の女性患者から長さ8センチの寄生虫を生きたまま摘出したことを明らかにした。通常はヘビの体内にいる寄生虫で、ヒトを含む哺乳類の脳で発見されたのは「世界で初めて」としている。女性は手術後、通常の生活に戻ったという。
 女性は2021年に激しい腹痛に見舞われ、22年に物忘れと抑うつを発症した。透視検査で脳内に細長い虫のようなものが見つかり、手術で摘出。その後、ニシキヘビなどに見られる種類の寄生虫と確認された。
 女性は湖の近くで採取した野草の料理を食べており、ヘビの排せつ物に含まれていた寄生虫の卵や幼虫が付着していた可能性がある。同大学は野草を食べる際によく洗うよう注意を呼び掛けている。 (C)時事通信社