政府は15日、2024年度診療報酬改定で、医師や看護師らの人件費に当たる「本体」部分を0.88%引き上げる方針を固めた。前回改定(22年度)の0.43%プラスを大きく上回る水準で、物価高騰や医療従事者の賃上げに対応する。一方、薬の公定価格である「薬価」は1%程度引き下げ、全体ではマイナス改定となる見通し。
 岸田政権が掲げる賃上げ方針を医療従事者にも波及させるため、本体部分で1%近くの引き上げが必要と判断。ただ、報酬引き上げは国民の保険料負担や窓口負担の増加につながる。今回は薬価の引き下げにより、全体としてはわずかながらマイナス改定となる。
 岸田文雄首相が同日、首相官邸で鈴木俊一財務相、武見敬三厚生労働相と協議し、こうした方針を確認した。来週、鈴木、武見両氏が閣僚折衝で正式合意した上で、24年度予算案に反映させる。
 診療報酬とは病院や薬局が提供する医療サービスに支払われる公定価格のこと。「本体」と「薬価」で構成され、原則2年に1度見直しが行われる。 (C)時事通信社