(第6回)変革が求められる製薬業界
IT企業などとの協働がカギか
医療費抑制の要請から、薬価引き下げや後発医薬品の使用促進が進むとともに、患者数の多い生活習慣病関連の医薬品開発は一巡し、莫大な利益を生むブロックバスター(新薬)が出づらい状況です。これまで継続して成長してきた国内医療用医薬品市場は、今後成長が鈍化する見通しです。
厳しい事業環境に対峙(たいじ)し、製薬企業各社は、疾患領域の選択と集中、海外展開の加速、開発・製造・販売のアウトソース、といった対応を進めていますが、私はこれらに加えて「新たな健康支援サービスの展開」が有効な戦略になり得ると考えます。全国の医療機関と強いネットワークを持つ製薬企業が、医薬品の販売に加えて、医師と共に新たな健康支援サービスを提供することは、患者に非常に価値があるとともに、製薬企業の差別化につながるのではないでしょうか。
(2018/07/07 16:00)