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「バイオシミラー」への理解深めて
後続医薬品の普及目指しフォーラム―東京

 バイオ医薬品の特許期限切れを受け、異なるメーカーから発売される比較的安価な後続品「バイオシミラー」の普及啓発を目的としたフォーラムが先月、東京都内で開かれた。参加者からは「バイオシミラー自体がまだ知名度不足」との声が上がり、主催者側は、医療費削減のためにも、もっと普及への理解を深める必要があると強調した。

 ◇「一般の人はまだ知らない」

 フォーラムを主催したのは、製薬会社などでつくるバイオシミラー協議会(黒川達夫理事長)。正会員は18社で、南部静洋・日本化薬取締役常務執行役員が会長を務める。

フォーラムで開かれたシンポジウムの参加者たち
 バイオ医薬品は、遺伝子組み換えや細胞培養などのバイオテクノロジー技術を用いて製造されるタンパク質を有効成分とする医薬品。糖尿病治療に使うインスリン、成長ホルモンなどに加え、近年、免疫機能を制御して治療効果を上げる「抗体医薬」が登場、売り上げを大きく伸ばしている。抗がん剤のオプジーボ(一般名・ニボルマブ)や関節リウマチなどの治療薬レミケード(一般名・インフリキシマブ)などが代表的な例だ。

 バイオシミラーは、こうした先発バイオ医薬品の後続品。フォーラムで講演した厚生労働省医政局経済課の飯村康夫ベンチャー等支援戦略室長によると、今年4月時点で薬価収載されたバイオシミラーは6成分の30品目で、さらに増えつつある。昨年の売上高は約190億円で、先行品と合わせたバイオ医薬品の売上高全体に占める占有率は16.6%を占め、約87億円の医療費削減につながったという。

 だが、飯村室長は「医師の間にもまだ、バイオシミラーを使用することへの抵抗感があり、一般の人はバイオシミラーの存在自体を知らない」との認識を示し、「有効性や安全性についてもっと理解を深める必要がある」と説明。厚労省が今年度予算で、バイオ医薬品開発の人材育成と併せて、バイオシミラーに関する医療従事者や患者・国民向けの普及啓発活動を行っていくことを明らかにした。

 ◇ジェネリックとは異なる扱いに

 バイオシミラーは、一般の人にもよく知られるようになったジェネリック医薬品とは異なる。ジェネリックは一般に、化学合成で製造される医薬品(低分子化合物)の後発品。有効成分は先発品と同一であり、新たな臨床試験は不要で、薬価は先行品の5割が基本だ。

 これに対しバイオシミラーは、製造の特性上、有効成分が全く同じものはつくれない。先発品とほぼ同じ「同等・同質」の医薬品という扱いだ。この同等・同質性を確認する臨床試験などを経て、販売が承認されるが、「同等性に懸念がある」などの理由で、使用を促進することへの慎重論もある。

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