甲南医療センター(神戸市東灘区)の専攻医だった高島晨伍さん=当時(26)=が昨年5月に過労自殺した問題で、西宮労働基準監督署(兵庫県)は19日、労働基準法違反容疑で、具英成院長と上司の2人と、運営法人「甲南会」を神戸地検に書類送検した。
西宮労基署によると、具院長らは昨年4月の1カ月間、高島さんに労使協定の上限月95時間を超える約114時間の時間外労働をさせた疑い。
高島さんは2020年4月から研修医として勤務。昨年4月からは消化器内科の専攻医として診察もしていたが、翌5月17日に自宅で亡くなった。直近1カ月間の残業が「207時間50分」に上ったとして、今年6月に労災認定された。
センター側は8月、「厚生労働省の基準で自己研さんは労働時間に含めない。業務量は適切だった」と主張。書類送検について、担当者は「コメントしない」としている。
高島さんの遺族は「適切な刑事処分が下され、司法の場で晨伍の死についてより明らかになることを望む。センターが医師の働き方改革の先頭を行かんとする施設に生まれ変わると願っている。死に真摯(しんし)に向き合ってほしいと願う」とのコメントを出した。 (C)時事通信社
医師過労自殺、院長ら書類送検=協定超え残業月114時間―兵庫・労基署
(2023/12/19 17:29)