茨城県は、育児休業を取得した職員の収入が減らないよう、有給の特別休暇の期間を拡大する方向で検討に入った。現行法上、育休は給与が支給されないため。収入減の懸念を解消し、男性の育休取得を促す狙い。県人事委員会規則を改正し、早ければ来年4月から運用を始める。育休を取る公務員の収入減対策として、特別休暇の運用で対応するのは全国初とみられる。
 地方公務員育児休業法は、育休取得中は給与を支給しないと定めている。共済組合から手当金などは出るものの、給与の満額には達しない。県は2025年度の目標として職員の育休取得率100%を掲げる中、収入の減少が取得を避けたり、男性の育児参加が進まなかったりする要因につながると判断。打開策を模索していた。
 そのため県は、給与の出る特別休暇のうち、男性職員が対象の「配偶者出産休暇」と「育児参加休暇」、全職員が対象の「家族看護休暇」の三つについて、取得可能日数の拡大を目指す。
 現在は、配偶者出産休暇が3日、育児参加休暇と家族看護休暇が5日。改正により、それぞれ数日~十数日の拡大を目指す。各休暇を組み合わせて土日などの休日を足せば、最大約2カ月間、収入を減らさずに、育児のために休暇を取得できる見込みだ。
 一方で県では、代替人員の確保や人件費抑制などの具体策が課題となっており、詰めの調整を行う。 (C)時事通信社