人工知能(AI)を活用し、特定の機能を持ったリボ核酸(RNA)の塩基配列を効率的に設計できるシステムを世界で初めて開発したと、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが18日、発表した。機能を高めた設計も可能で、RNAを使った医薬品の開発に寄与することが期待されるという。論文は同日付の英科学誌「ネイチャー・メソッド」に掲載された。
研究グループは、特定の機能を持つさまざまな生物のRNAの塩基配列をAIに学習させ、必要な機能に合う新たな塩基配列を設計。設計に基づくRNAの塩基配列が実際に機能を持つことを実験で確認した。AIが設計したRNAが、天然のRNAより高い機能を持つ傾向があることも分かった。
AIの活用で、従来、人手で行ってきたRNAの生成効率を向上。生成に必要な時間や費用を縮減できるという。京都大iPS細胞研究所の斉藤博英教授は「利用目的に適した機能を持つ塩基配列のRNAを迅速に生成できるようになる。新型コロナウイルスワクチンで注目された、RNAを使った医薬品の開発推進につながる」と話している。 (C)時事通信社
RNA設計にAI活用=生成効率や機能を向上―京都大
(2024/01/18 19:21)