【カイロ時事】国連児童基金(ユニセフ)は19日、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった昨年10月以降、パレスチナ自治区ガザで、約2万人の新生児が生まれたと発表した。ユニセフのテス・イングラム報道官は、戦時下の劣悪な環境で母子が「信じられない状況」に置かれていると警告。「母親と新生児には人道的停戦が必要だ」と訴えた。
イングラム氏はガザ南部ラファの病院に1週間滞在。イスラエル軍による激しい攻撃が続くガザでは妊婦が爆撃に巻き込まれ、胎児が動かなくなったり、死亡した妊婦に帝王切開を行ったりする事例があったと説明した。
同氏は「10分に1人が恐ろしい戦争の中で生まれている」と指摘。妊婦に適切な医療を提供できず、栄養管理もままならないと語り、「母親は流産、死産、早産、自らの死、精神的トラウマの危険にさらされている」と説明した。
また、2歳未満の子供約13万5000人が重度の栄養失調の危機にあると強調。「医療崩壊により、乳児と妊産婦の死亡率が上昇している」との見方を示した。
ガザ保健当局によると、衝突開始後のガザの死者は2万4000人を超えた。そのうち約7割が女性や子供だと訴えている。 (C)時事通信社
ガザ衝突後の新生児2万人=環境劣悪「信じられない状況」―国連
(2024/01/20 21:46)