能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市に26日、宮城県気仙沼市立病院の医師ら5人で構成する災害派遣医療チーム(DMAT)が到着した。2011年の東日本大震災で被災した気仙沼市からDMATが派遣されるのは初めて。隊員の尾形和則医師(57)は「震災では気仙沼も全国から多くの支援をいただいた。その恩返しだ」と力を込めた。
 尾形医師によると、市立病院では16年にDMATを立ち上げたものの、慢性的な人手不足から、実際に被災地に派遣することができない状況が続いていたが、宮城県を通じて派遣要請を受けた病院は今回、「ぜひ行ってこい」と5人を送り出した。尾形医師はニュースで惨状を見るたび、「断水などインフラの被害や寒さは、震災のときよりも深刻ではないか」と感じていたという。
 珠洲市内では27~29日の3日間、高齢者施設の入居者や在宅避難者の健康管理業務を担う。尾形医師は「地元の医療関係者も被災しているが、自分や家族のことは後回しで、患者さんたち最優先で働いている。僕たちも同じ経験をしたので大変さが分かる」と吐露。「気仙沼も復興したと言えるようになるまで何年もかかった。今回被災した方々は、今は先のことを考えられないと思うが、僕たちが少しでも力になり、前へ進んでほしい」と語った。 (C)時事通信社