今月(2024年1月)1日に発生した能登半島地震の被災地支援を目的に日本医師会災害医療チーム(JMAT)が5日に石川県で活動を開始してから3週間がたつ。しかし、道路状況の悪さから、同県珠洲市をはじめ能登地域での支援活動はいまだ難航している。日本医師会は24日、定例の記者会見でJMATの活動状況を報告。同会常任理事の細川秀一氏は「今後は同県穴水町に設置した能登北部調整支部を拠点として支援の拡大を目指す」と発表した。(関連記事「能登半島地震、各医学会の動向まとめ」)

珠洲市に感染症の外来可能な病院を

 JMATの支援活動は、①被災者の生命・健康の保護、②被災地の公衆衛生の回復、③地域医療の再生支援-を目的とする。今月23日時点で石川県には41チーム146人が派遣されており、累計派遣数は2,227人に上る。金沢市以北では、七尾市、穴水町、志賀町、能登町、輪島市で継続して活動。しかし、道路被害の大きさから、能登半島先端に位置する珠洲市への支援は災害派遣医療チーム(DMAT)の経験がある重装JMATによる単発での活動に限られている。

 今後の活動状況について、細川氏は「今月末から大雪となる可能性がある。被災しながらも懸命に活動している診療所への支援が重要なミッションだ」と説明。「穴水町の能登北部調整支部を拠点として支援拡大を目指す。道路状況が改善次第、継続的な出動を行いたい」と展望した。

 また、珠洲市における支援の具体的状況に関する質問に対しては、「診療所での感染症外来の開設などを計画している」と回答した。

(小田周平)