文部科学省と厚生労働省などは9日、遺伝性や先天性の難病をゲノム編集技術などを使って研究するため、新たに人の精子と卵子を受精させて受精卵(胚)を作ることを解禁した。これまでは生殖補助医療(不妊治療)の研究に限って認めていたが、関連指針を改正して同日施行した。
 解禁対象は、遺伝子を効率良く改変し、働きを調べられるゲノム編集技術を使った遺伝病研究のほか、エネルギーを生み出す細胞小器官ミトコンドリアの機能が低下して起きる「ミトコンドリア病」に核置換技術を使う研究。
 この場合の核置換技術は、異常なミトコンドリアがある卵子からDNAが入った核を抜き出し、あらかじめ核を除いた正常なミトコンドリアの卵子に移植した上で、精子を受精させる方法などがある。実質的にミトコンドリアを交換した形となる。 (C)時事通信社