京都大医学部付属病院は4日、遺伝子疾患を持つ10歳未満の男児に、両親の肺と祖父の肝臓を移植する手術を実施したと発表した。経過は良好で、男児は既に退院した。同病院によると、生体での肺肝同時移植は世界初という。
 移植を受けたのは、遺伝子疾患「先天性角化不全症」と診断された関東地方在住の男児。2歳から再生不良性貧血を発症し、4歳で妹から骨髄移植を受けた。
 その後、肺の動脈と静脈がつながり酸素が取り込めなくなる疾患や、肝硬変を発症。肺と肝臓両方の移植が必要な状態となった。
 手術は昨年11月15日に実施。まず両親から肺の一部、続いて祖父から肝臓の一部を移植した。男児は手術から2カ月半後には酸素ボンベなしで歩行可能となり、今月1日に退院して自宅に戻った。臓器を提供した両親と祖父も既に社会復帰しているという。
 海外では脳死した臓器提供者(ドナー)による肺肝同時移植は行われているが、日本はドナー数が少ないため、脳死ドナーによる同時移植は行われていないという。執刀した同病院の伊達洋至教授(呼吸器外科)は「患者に新しい治療の可能性を広げることができた」と話した。 (C)時事通信社