政府は6日、パートなど短時間労働者が厚生年金に加入する「年収106万円以上」の賃金要件を、2026年10月に撤廃する方向で検討に入った。また、勤務先の企業規模を「従業員数51人以上」と定める要件についても撤廃する方針だが、中小企業への影響を考慮し、時期を慎重に判断する。
厚生年金の保険料は加入者と企業が半分ずつ負担している。要件撤廃で厚生年金加入のパートを増やし、年金額を手厚くする狙いがある。来年の通常国会に提出する年金制度改革関連法案に盛り込む。
サラリーマンらの扶養に入る配偶者は、「第3号被保険者」として、保険料を払わなくても老後に基礎年金を受け取れる。一方で、配偶者がパートで従業員数51人以上の企業に勤める場合、月収8万8000円(年収換算約106万円)以上で週20時間以上働くと、厚生年金への加入が義務付けられる。
パート主婦らが保険料負担を避けて就業を抑制するため、賃金要件は「106万円の壁」と呼ばれている。政府は、最低賃金が来年にも全都道府県で時給1016円以上に上昇して、週20時間働くと賃金要件を満たす見込みであるとして、撤廃時期を判断した。 (C)時事通信社
厚生年金の賃金要件、26年撤廃へ=106万円の壁、パート加入推進―政府検討
(2024/12/06 16:44)