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認知症治療の新たな希望、再生医療の最前線「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」をがん集学財団がサポート

公益財団法人がん集学的治療研究財団
アルツハイマー型認知症患者の認知機能が改善、ALSなどの難病治療の可能性も

公益財団法人がん集学的治療研究財団(東京都江東区、会長:藤田 讓・理事長:山岸 久一、以下「がん集学財団」)は、予てより患者にやさしいがん治療をテーマに臨床研究を行ってきました。がん治療ガイドラインにも採用されるような医学的に価値のある研究成果を世に出してまいりましたが、本年度より、再生医療を事業目的に追加いたしました。
脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)は、認知症やALSなど、これまで治療が難しいとされていた疾病に対して治療効果を発揮する最先端の再生医療です。弊財団はADSC治療による認知症・難病治療をサポートして参ります。



再生医療の最前線:「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」、驚異の治療成績
再生医療といえば、京都大学の山中伸弥先生のiPS細胞がノーベル賞を受賞し一躍有名になりました。実際にiPS細胞による治療は様々な疾患への応用が考えられています。しかし、iPS細胞は他人の細胞を用いるのに対して、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)治療は自己の脂肪組織に含まれる幹細胞を培養して静脈投与する方法であるため、拒絶反応の可能性が少なく、より安全な難病治療と考えられます。

当財団では、「脂肪組織由来幹細胞(ADSC)」の治療研究をサポートしています。ADSCは、自己の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、約1カ月毎に点滴投与する治療です。
このADSCを使った治療は、認知症、ALSなど、今まで治療が難しいと言われていた疾患に対して大きな治療効果を上げ始めています。
薬物治療では難しい「アルツハイマー型認知症」の症状改善を示唆
14人のアルツハイマー型認知症患者に対してADSC治療を行い、全ての症例で認知機能評価(MoCA)が改善しました。MoCAは症状の進行の度合いを示す数値で、低いほど認知症が重いことを示します。26以上であれば健常人と同じです。
認知症が重い(MoCA 3点以上)方に関しては、投与毎に改善傾向が見られました。また、進行度が中等度(MoCA 9点以上)の方は、75%(12人中9人)の症例で、認知機能が健常値近く、または健常状態にまで改善する結果となりました。



最新の認知症の治療は薬物治療です。薬物治療では、認知症の進行を遅らせることはできるものの、基本的に症状の改善までは期待できません。
しかし、ADSC治療では14例と少数ではあるものの患者全員の症状が改善し、さらの健常状態まで戻る症例も存在しました。世界的にも類を見ない結果です。

ADSC治療が、認知症に対して有効である理由については未だ研究の途中です。
ただ最近の研究結果から、アルツハイマー型認知症の原因と考えられる脳内のアミロイド蛋白を分解する酵素「ネプリライシン」や、タウ蛋白のリン酸化などを抑制する酵素「リーリン」を、ADSCが分泌している事を発表致しました。
当財団では、これらが治療効果を示すメカニズムの一つではないかと考えています。

「筋萎縮性側索硬化症( ALS )」患者が治療から10年後、職場復帰
難病情報センターのホームページによれば、ALSは「進行性で、一度この病気にかかりますと症状が軽くなるということはありません」とあります。原因不明で治療方法も確立していない難病です。
しかしながら、ADSC治療では、症状改善例が54%(7/13)であり、並行例は、23%(3/13) 、悪化例は23%(3/13) でありました。ALSは全身の筋肉が弱くなり、数年で人工呼吸器に頼らざるを得ない患者さんも多くいらっしゃるなかで、ADSC治療を行った患者さんの中には、治療後10年を経て、仕事をしていらっしゃる患者さんもいます。

アルツハイマー型認知症同様、治療効果の理由は研究中ですが、ALSでは脳脊髄内に沈着するTDP43という蛋白に対し、ADSCが分解酵素であるカスペース4を分泌することを発見しました。

「パーキンソン病( PD ) 」治療に対する上乗せ効果
パーキンソン病は脳内のドーパミンが減って運動障害や振るえなどが発現する病気で、根治的治療法が未確立な難病です。数種の薬物療法が知られていますが、あくまでも対症療法であり、治療効果と副作用のバランスを見ながら、治療を続けているのが現状です。パーキンソン病患者9人に対し、それまで行っていた治療にADSC療法を追加して経過を確認したところ、89%(8/9人)に更なる症状の改善(UPDRS指標の改善)が見られました。

パーキンソン病は、脳神経系にαシヌクレインという蛋白が蓄積して、症状が発現すると考えられています。我々はADSCからαシヌクレインを分解する酵素であるG3BP1を分泌している事を発見しており、このことがバーキンソン病の症状が改善する機序の一つである考えています。

他の疾患に対する治療効果も示唆
ADSC治療は、認知症や神経難病だけでなく、慢性閉塞性肺疾患( COPD ) 、動脈硬化症、骨粗しょう症に対しても効果が認められています。
今後はダブルブラインド試験など行ってエビデンスを高めると共に、様々な領域の疾患に対する効果を検討していきます。

「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」治療効果の具体例
アルツハイマー型認知症

ALS


山岸 久一 医師(京都府立医科大学元学長・名誉教授)のコメント


認知症や神経難病では、脳神経系に異常(病的)蛋白が蓄積することで発症すると考えられていますが、ADSCはこれらを分解する酵素を産生することで、病状を改善すると考えられています。まだメカニズムに関する情報は少なく、実施症例数は限られていますが、症状の改善率は上記の通りです。自己の幹細胞を使用するため拒絶反応はなく、また幹細胞採取は腹部の脂肪組織で行うため採取は安全に行うことが可能です。有効で安全な可能性に満ちたADSC治療に是非ともサポートをお願い致します。





【山岸久一先生のプロフィール】
1969年 京都府立医科大学卒業 同第2外科入局
1976-78年 米国テキサス大学外科 リサーチサイエンティスト
1979-81年 京都府立与謝の海病院外科医長
1998年 京都府立医科大学第1外科教授
1999年 同大学外科主任教授
2003-05年 京都府立医科大学附属病院長
2006-11年 同大学学長
2012-20年 京都府地域医療支援センター長(京都府特別参与)
2021年-現在 京都脂肪由来幹細胞治療センター代表

「がん集学的治療研究財団」が再生医療に取り組む理由
がん集学財団は、がん治療の研究助成・情報発信・開発支援などを主たる事業目的とした財団でありますが、当財団の第6代理事長、京都府立医科大学元学長・名誉教授である山岸久一医師は、大学の職務とは離れたところで、再生医療の一種である脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)の研究に取り組み、上記の治療成績を示してきました。

しかしながら、新しい研究であるため、医学界における認知度は低い状況です。弊財団は認知症・難病で苦しむ方々を助けることも当財団の目的に合致すると考え、この研究の周知活動、寄付集めなどを通してADSC治療をサポートしてきます。

公開情報・お問合せ先
【「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」に関する情報】
「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」ついてもっと知りたいという方は、山岸 久一 医師の著書「諦めない」をご一読頂くか、弊財団のHPや公開されているYouTube動画においてもご覧いただけます。弊財団の再生医療事業に対する寄付もお待ちしています。

・「諦めない」株式会社アークメディア 発行 1,980円
https://arcmedium.co.jp/products/detail.php?product_id=4948
・弊財団HP YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC6VPlPWT8gj5Gyb-N-nyr3g 

【再生医療事業に関するお問合せ先、寄付のお申込み先】
公益財団法人がん集学的治療研究財団 再生医療担当:金子、武藤
Eメール:soumu@jfmc.or.jp TEL:03-5627-7594

【ADSC治療に関するお問合せ先】
また、「脂肪組織由来幹細胞治療(ADSC治療)」に興味のある方、治療を受けたいという方は、下記までご連絡下さい。

・京都府立医科大学元学長:名誉教授 山岸久一
Eメール:hisakazu.y.1101@gmail.com

・なぎ辻病院 (ADSC治療 実施医療機関)
所在地:京都府 京都市山科区 椥辻東潰 5-1
URL:http://www.nagitsuji-hp.jp/regenerative/ 
TEL:050-3091-1131

学術発表
<学会発表>
・2021/7/26-30 Alzheimer’s & Dementia USA, Boston
・2023/3/28-4/1 AD/PD 2023 Sweden, Gothenburg

<論文発表>
1) Shigematsu K, Ishii K, Tahara K, Komori N, Yamagishi H. Repeated intravenous infusion of autologous adipose-derived stem cells improves cognitive function. Alzheimer’s & Dementia. 2021;17:e049907.
2) Shigematsu K, Yamagishi H. Re: Intravenous infusion of auto serum-expanded autologous mesenchymal stem cells in spinal cord injury patients: 13 case series. Clinical Neurology and Neurosurgery. 2021;205:106641.
3) Shigematsu K, Yamagishi H. The mesenchymal stem cells will break down and remove the abnormal proteins that have become insoluble and deposited. Medical Hypotheses. 2021;153:110623.
4) Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Adipose-derived stem cells' potential in neurodegenerative therapy. Highlighting reelin activity. Medical Hypotheses. 2023;182:111226.
5) Shigematsu K, Takeda T, Komori N, Tahara K. ALSFRS scores improved after multiple infusions of autologous adipose tissue-derived stem cells in ALS patients. Journal of the Neurological Sciences. 2021;429:119416
6) Yamagishi H, Shigematsu K. Perspectives on Stem Cell-Based Regenerative Medicine with a Particular Emphasis on Mesenchymal Stem Cell Therapy. JMA journal. 2021;5:36-43.
7) Shigematsu K, Takeda T, Komori N , Urushihata N , Oki K , Tahara K , Yamagishi H. Long-term survival of a patient with amyotrophic lateral sclerosis (ALS) who received autologous adipose-derived mesenchymal stem cells. European Review for Medical and Pharmacological Sciences. 2021;25:4086-4090.
8) Shigematsu K, Ideno M, Komori N, Yamagishi H. Repeated intravenous infusion of adipose Tissue-Derived stem cells as a promising treatment for amyotrophic lateral sclerosis. Medical Hypotheses. 2023;181:111205.
9) Shigematsu K, Komori N, Tahara K, Yamagishi H. Repeated infusion of autologous adipose tissue-derived stem cells for Parkinson's disease. Acta Neurologica scandinavica. 2022;145:119-122.
10) Shigematsu K, Takeda T, Komori N, Tahara K, Yamagishi H. Hypothesis: Intravenous administration of mesenchymal stem cells is effective in the treatment of Alzheimer's disease. Medical Hypotheses. 2021;150:110572.
11) Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Evaluation of neprilysin activity in Adipose-Derived stem cells from Alzheimer's disease patients. Neuroscience Letters. 2024;825:137705.
12) Shigematsu K, Takeda T, Komori N, Tahara K, Yamagishi H. Skin amyloidosis status 5 years after adipose tissue-derived stem cell transplantation. Medical Reports. 2024;6:100068.

「がん集学的治療研究財団」概要
基本概要
組織名称:公益財団法人がん集学的治療研究財団
設立日:昭和55年6月23日(厚労省医政局所管の財団法人として設立)
所在地:〒136-0071 東京都江東区亀戸1-38-4 朝日生命江東ビル3階
財団HP:https://www.jfmc.or.jp/
お問い合わせ:https://www.jfmc.or.jp/contact/
組織
役員構成
【会長】藤田 讓 元 朝日生命保険相互会社 社長
【理事長】山岸 久一 京都府立医科大学元学長 名誉教授
【常務理事】桑野 博行 遠賀中間医師会 おかがき病院 地域総合支援センター センター長
【理事】市川 大輔 山梨大学医学部外科学講座第一教室 教授
【理事】井本 滋 杏林大学 医学部 乳腺外科 教授
【理事】宇山 一朗 藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学 主任教授
【理事】今野 弘之 国立大学法人 浜松医科大学 学長
【理事】三枝 稔  学校法人先端教育機構 特別顧問・評議員
【理事】瀬戸 泰之 国立がん研究センター中央病院 病院長
【理事】谷下 一夫 一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ 理事長
【理事】松原 久裕 千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学 教授

監事
杉原 健一 光仁会 第一病院 院長
松本 謙一 サクラグローバルホールディング株式会社 代表取締役会長

評議員
14名

各種委員会 
一般研究選考委員会、臨床試験審査委員会、医療機器委員会、利益相反委員会、財務委員会、データベース事業支援委員会、広報委員会

事業内容
臨床試験関連事業
患者様に負担の少ない治療法を選択すべく、50を越える臨床研究を実施し、その成果は治療ガイドラインに記載されるなど、現実の治療に生かされてきた。

一般研究助成事業
がんの集学的治療や医療機器に関する研究を選抜し、研究資金を助成。

データベース事業
過去の大腸癌7試験についてデータベース化し、解析研究を実施。

医療機器事業
市販後調査、試作品評価の他、講演会・交流の場の提供を行うなど開発支援も実施。

講座・講演会事業
出版物の発行(一般研究助成事業成果報告書/JFMC機関誌 等)、市民公開講座の実施。
上記の他、今回、新たに幹細胞を用いた認知症・難病治療をサポートする事業を開始。





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