カケハシ、横浜薬科大・シドニー大などと共同で薬局薬剤師のポリファーマシー介入状況を発表
株式会社カケハシ
独自のRWDを用いた調査結果を日本薬局学会学術総会にて報告
株式会社カケハシ(本社:東京都港区、代表取締役社長:中尾 豊、代表取締役CEO: 中川 貴史、以下、当社)は、国内におけるポリファーマシー(多剤併用)の発生状況と薬局薬剤師の介入状況を明らかにする調査を国内外の研究者とともに実施し、先日行われた日本薬局学会学術総会にて報告しました。調査では当社のクラウド型電子薬歴「Musubi」(以下、Musubi)に蓄積された実臨床データを用いており、リアルワールドデータ(以下、RWD)の具体的な活用事例の一つとして、今後の可能性を示唆するものと考えています。
背景
当社が開発・提供するMusubiには、導入薬局との連携による膨大な実臨床データが蓄積されています。このRWDを適切な薬物療法の推進や医療資源の配置の最適化に活かすべく、患者フォローアップや処方実態などについて複数の調査・研究を進めてまいりました。その一つとして、本研究では副作用など有害事象のリスク要因となりうる「ポリファーマシー」に着目しました。
かねてより、特に高齢者の薬物治療におけるポリファーマシーの解消に向けた動きが積極化しています。国は平成30年の調剤報酬改定にて服用薬剤調整支援料¹を、令和2年の改定では服用薬剤調整支援料1・2²(以下、支援料1・2)を新設し、薬局薬剤師の積極的な関与による課題解決を促しました。
その一方で、ポリファーマシーの介入時に重要な参考情報である、減薬対象となり得る患者さんや薬剤の詳細は明らかになっていません。
こうした背景を受け、当社は国内におけるポリファーマシーの発生状況に対する支援料の算定率、および減薬対象となった薬剤に関して、国内外の研究者と調査を実施しました。
¹厚生労働省保険局医療課「平成30年度診療報酬改定の概要 調剤」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197985.pdf
²厚生労働省保険局医療課「令和2年度診療報酬改定の概要 (調剤)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000608537.pdf
概要
・デザイン:後方視的調査
・対象:対象期間にMusubiを利用した2,069薬局、当該薬局を継続的に利用した65歳以上の患者1,458,323人
・分析対象期間:2020年4月から2023年9月
・評価項目:年齢層ごとの服用薬剤数の内訳、支援料1・2の算定有無に影響を与える要因など
・解析方法:患者背景の要約には記述統計、統計解析では目的変数と関連のある説明因子の推定について一般化線形混合モデルを使用
▽研究者名 ※NPhA学術総会シンポジウム演者名記載順
・ 沖崎 歩(株式会社カケハシ)
・ 工藤 知也(株式会社カケハシ)
・ 遠藤 瑠里(株式会社カケハシ)
・ 田口 真穂(横浜薬科大学)
・ 串田 一樹(昭和薬科大学)
・ Prof.Timothy Chen(シドニー大学)
・ Prof. Sarah Hilmer(シドニー大学)
・ 佐藤 周子(シドニー大学)
・ 藤田 健二(シドニー大学)
成果と今後の展望
調査の結果、65歳以上の患者のうち6剤以上の薬剤服用がある割合は、65歳~69歳では全体の13%であるのに対し、85歳~89歳では29.8%と、2倍以上の開きが見られました。さらに、ハイパーポリファーマシーと言われる10剤以上を服用する患者については、65歳~69歳が1.9%のところ、85歳~89歳で6.4%、90歳以上では7.3%と高い水準であることが明らかになりました。
一方で、対象となった2,068薬局³のうち支援料1を調査期間中に一度でも算定したことのある薬局は、全体の10.3%でした。
さらに、支援料1算定時に減薬対象となった薬剤を薬剤分類別に見ると、消化性潰瘍用剤(117件)が最も多く、その他のアレルギー薬(60件)、解熱鎮痛消炎剤(53件)、漢方製剤(50件)、ビタミンB剤(45件)が上位となりました。また、年齢・薬剤数・かかりつけ薬剤師指導料と支援料1の算定との間に、正の相関が認められました(いずれもp<0.01)。
以上から、支援料1・2にはさらなる算定の余地があると考えられ、減薬対象となった薬剤の分析から今後薬局薬剤師が減薬を提案する際の参考となりうる情報として明示されました。さらに、特定された関連因子からは、かかりつけ薬剤師の推進によるポリファーマシー解消の可能性が示唆される結果となりました。
今後も当社は、実臨床における薬剤の使用実態の解明や適正使用の推進、そのための環境整備などの支援を継続し、医療従事者と患者さん双方にとってより良い医療の実現を目指します。
³支援料1算定の候補患者が1人以上存在していた薬局数
当社について
株式会社カケハシは、日本の医療システムの再構築を目指すヘルステックスタートアップ企業です。テクノロジーを駆使し、患者さんにとってより良い医療を、医療現場にとって継続可能な形で実現します。現在、薬局体験アシスタント「Musubi」のほか、複数プロダクトを開発・提供し、グループ全体で国内の薬局の12,000店舗超をカバー。服薬期間中の患者フォローによる治療効果最大化や、医薬品の市中在庫可視化・安定供給などをサポートします。薬局や医療機関をはじめとした多様なステークホルダーとともに、より良い医療を実現するプラットフォームを構築していきます。
<会社概要>
会社名 株式会社カケハシ
設 立 2016年3月30日
所在地 東京都港区西新橋二丁目8番6号 住友不動産日比谷ビル5階
U R L https://www.kakehashi.life/
<本件に関する問い合わせ先>
株式会社カケハシ 広報・PR
メール: pr@kakehashi.life
電 話: 03-6825-2058
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
独自のRWDを用いた調査結果を日本薬局学会学術総会にて報告
株式会社カケハシ(本社:東京都港区、代表取締役社長:中尾 豊、代表取締役CEO: 中川 貴史、以下、当社)は、国内におけるポリファーマシー(多剤併用)の発生状況と薬局薬剤師の介入状況を明らかにする調査を国内外の研究者とともに実施し、先日行われた日本薬局学会学術総会にて報告しました。調査では当社のクラウド型電子薬歴「Musubi」(以下、Musubi)に蓄積された実臨床データを用いており、リアルワールドデータ(以下、RWD)の具体的な活用事例の一つとして、今後の可能性を示唆するものと考えています。
背景
当社が開発・提供するMusubiには、導入薬局との連携による膨大な実臨床データが蓄積されています。このRWDを適切な薬物療法の推進や医療資源の配置の最適化に活かすべく、患者フォローアップや処方実態などについて複数の調査・研究を進めてまいりました。その一つとして、本研究では副作用など有害事象のリスク要因となりうる「ポリファーマシー」に着目しました。
かねてより、特に高齢者の薬物治療におけるポリファーマシーの解消に向けた動きが積極化しています。国は平成30年の調剤報酬改定にて服用薬剤調整支援料¹を、令和2年の改定では服用薬剤調整支援料1・2²(以下、支援料1・2)を新設し、薬局薬剤師の積極的な関与による課題解決を促しました。
その一方で、ポリファーマシーの介入時に重要な参考情報である、減薬対象となり得る患者さんや薬剤の詳細は明らかになっていません。
こうした背景を受け、当社は国内におけるポリファーマシーの発生状況に対する支援料の算定率、および減薬対象となった薬剤に関して、国内外の研究者と調査を実施しました。
¹厚生労働省保険局医療課「平成30年度診療報酬改定の概要 調剤」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000197985.pdf
²厚生労働省保険局医療課「令和2年度診療報酬改定の概要 (調剤)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000608537.pdf
概要
・デザイン:後方視的調査
・対象:対象期間にMusubiを利用した2,069薬局、当該薬局を継続的に利用した65歳以上の患者1,458,323人
・分析対象期間:2020年4月から2023年9月
・評価項目:年齢層ごとの服用薬剤数の内訳、支援料1・2の算定有無に影響を与える要因など
・解析方法:患者背景の要約には記述統計、統計解析では目的変数と関連のある説明因子の推定について一般化線形混合モデルを使用
▽研究者名 ※NPhA学術総会シンポジウム演者名記載順
・ 沖崎 歩(株式会社カケハシ)
・ 工藤 知也(株式会社カケハシ)
・ 遠藤 瑠里(株式会社カケハシ)
・ 田口 真穂(横浜薬科大学)
・ 串田 一樹(昭和薬科大学)
・ Prof.Timothy Chen(シドニー大学)
・ Prof. Sarah Hilmer(シドニー大学)
・ 佐藤 周子(シドニー大学)
・ 藤田 健二(シドニー大学)
成果と今後の展望
調査の結果、65歳以上の患者のうち6剤以上の薬剤服用がある割合は、65歳~69歳では全体の13%であるのに対し、85歳~89歳では29.8%と、2倍以上の開きが見られました。さらに、ハイパーポリファーマシーと言われる10剤以上を服用する患者については、65歳~69歳が1.9%のところ、85歳~89歳で6.4%、90歳以上では7.3%と高い水準であることが明らかになりました。
一方で、対象となった2,068薬局³のうち支援料1を調査期間中に一度でも算定したことのある薬局は、全体の10.3%でした。
さらに、支援料1算定時に減薬対象となった薬剤を薬剤分類別に見ると、消化性潰瘍用剤(117件)が最も多く、その他のアレルギー薬(60件)、解熱鎮痛消炎剤(53件)、漢方製剤(50件)、ビタミンB剤(45件)が上位となりました。また、年齢・薬剤数・かかりつけ薬剤師指導料と支援料1の算定との間に、正の相関が認められました(いずれもp<0.01)。
以上から、支援料1・2にはさらなる算定の余地があると考えられ、減薬対象となった薬剤の分析から今後薬局薬剤師が減薬を提案する際の参考となりうる情報として明示されました。さらに、特定された関連因子からは、かかりつけ薬剤師の推進によるポリファーマシー解消の可能性が示唆される結果となりました。
今後も当社は、実臨床における薬剤の使用実態の解明や適正使用の推進、そのための環境整備などの支援を継続し、医療従事者と患者さん双方にとってより良い医療の実現を目指します。
³支援料1算定の候補患者が1人以上存在していた薬局数
当社について
株式会社カケハシは、日本の医療システムの再構築を目指すヘルステックスタートアップ企業です。テクノロジーを駆使し、患者さんにとってより良い医療を、医療現場にとって継続可能な形で実現します。現在、薬局体験アシスタント「Musubi」のほか、複数プロダクトを開発・提供し、グループ全体で国内の薬局の12,000店舗超をカバー。服薬期間中の患者フォローによる治療効果最大化や、医薬品の市中在庫可視化・安定供給などをサポートします。薬局や医療機関をはじめとした多様なステークホルダーとともに、より良い医療を実現するプラットフォームを構築していきます。
<会社概要>
会社名 株式会社カケハシ
設 立 2016年3月30日
所在地 東京都港区西新橋二丁目8番6号 住友不動産日比谷ビル5階
U R L https://www.kakehashi.life/
<本件に関する問い合わせ先>
株式会社カケハシ 広報・PR
メール: pr@kakehashi.life
電 話: 03-6825-2058
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(2024/12/02 12:00)
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